【毎日書評】ドン・キホーテという異色を大ヒットPB「情熱価格」のリブランディングから紐解く
ブランドの鮮度をいかに維持するか
しかしブランドは、長く続いてこそ価値があるもの。一過性のブームで終わってしまっては意味がないわけです。また、そのブランドに携わる「チームそのものの鮮度をいかに維持するか」も重要なポイント。 「年を重ねれば重ねるほど、決断する力は高まるが、社会を感じ取る力は落ちていく」──。これが私の持論です。 社会の風に敏感になり、鮮度を保ってプランニングして、クライアントの事業を成功へ導くのがクリエイティブディレクターの役割ですが、その鮮度は永遠ではありません。 年を重ねれば、社会の風に対する感覚が鈍ってしまう(その分、良い経験が積まれ、良い決断ができるようにはなります)。(301~302ページより) そのため「鮮度」の観点からも、長い時間、同じクライアントを担当し続けるのが本当に相手のためになるのかと宮永氏はつねに自問自答しているといいます。そのためいま、ドンキのさまざまなプロジェクトのリーダーに博報堂の若い才能を抜擢し、彼らの成長を促すようにしているそう。 いうまでもなく、クライアントの鮮度が古くなり、成長が鈍化していくのを避けるため。それもまた、ブランドに対するエコシステムづくりの一環だということです。(301ページより) ドン・キホーテという異色の企業はどんな会社なのかという、なかなか明かされることのない秘密を凝縮した一冊。いろいろな意味で刺激を与えてくれるはずなので、手に取ってみる価値はありそうです。 >>Kindle Unlimitedの3カ月無料キャンペーン【10/20まで】 Source: 日経BP
印南敦史