後悔したくないとき、正しい判断をしたいとき、自分に問いかける「黄金の質問」
あなたは本気で仕事を辞めたいと思っていました。 何ヵ月もかけて慎重に計画を立て、副業を本格的なビジネスにする方法を見つけ出し、それを実行する勇気を築き上げました。そして、辞表を出しました。 すぐに上司は大幅な昇給を約束してあなたを引き留めようとします。 魅力的な提案に心が揺れます。 気が変わりはじめます。 どうしたらいいのでしょうか。 数年前、私はこのような困難な状況で自分の感情をコントロールして、より良い決定を下すのに役立つ実践的な方法を学びました。 それを実践するには、私が「黄金の質問」と呼んでいる質問を自分に問いかける必要があります。
黄金の質問とは?
黄金の問いかけは、実は5つの質問が1つになったものです。具体的な例をあげてご説明します。 感情が高ぶった状況で決定を下さなければならないときは、自分自身に次のように問いかけてみましょう。 「私はこのことについてどう感じるだろうか?」 この質問が役立つ理由は、脳が感情を処理する方法と大いに関係があります。 より高次の実行機能(計画し、組織し、自制する能力など)に関しては、通常、脳の最も大きな部分である前頭葉が働きます。しかし、感情的な脅威を感じると、扁桃体と呼ばれる脳の別の部分が脳を「ハイジャック」し、しばしば「戦うか逃げるかすくむか反応」を引き起こします。 感情のハイジャックは、ある種の状況では有効です。しかし、それが原因で後悔するようなことを言ってしまうこともあります。 ここで、黄金の質問の出番です。 この決断が自分の将来にどのような影響を与えるのか自分に強制的に考えさせることで、扁桃体を使うことから前頭葉を使うように切り替えます。 つまり、ハイジャックを「ハック」するのです。 例えば、冒頭のシナリオに戻ってみましょう。 上司の申し出に承諾する前に、自問します。 「1日たったらどんな気分になっているだろう?」 かなり気分がいいな。自分の仕事が評価されているとわかって嬉しい。 「..1週間後は?」 悪くない。そろそろ昇給分をどう使うか計画しよう。 「...1ヵ月後は?」 うーん。給料が上がるのはいいことだけど、それだけの価値があるかどうかわからないな。 「...1年後は?」 うう。この仕事は大嫌いだ。 「...5年後は?」 あのビジネスをはじめなかったなんて信じられない。もしはじめていたら、今頃どうなっていただろう? もちろん、この黄金の質問の効果は、仕事上のことだけではありません。 たとえば、あなたがパートナーと幸せな関係を築いているとしましょう。誰でもそうですが、2人にもいろいろなことがあります。しかし、乗り越えられなかったことはありません。 しかし、今日は2人にとって最悪の日です。パートナーが辛辣なことを言い、あなたは相手を傷つけるような言葉を返したくなります。 でも、そうする前に、自分に問いかけます。 「1日経ったら自分はどう感じるだろう?」 気分は悪いけど、彼女だって自業自得だ。 「1週間後は?」 わぁー。これは、今までで一番長い喧嘩だ。 「...1ヵ月後は?」 あんなこと言わなければ良かった。 「...1年後は?」 2人が別れることになるなんて信じられない。 「...5年後は?」 あの日に戻れたらどんなにいいか。 もちろん、誰でも間違いを犯します。そして、過去にこだわるべきではありません。 しかし、黄金の質問が特別なのは、未来を垣間見ることができるからです。おかげで今、「2度目の」チャンスを手に入れることができます。 ですから、次に感情的な状況で決断を迫られた時には、この問いを使って感情を管理してより良い判断を下し、後悔の少ない人生を送りましょう。 ──2021/10/07公開記事を再編集して再掲しています。 Originally published by Inc. [原文] Copyright © 2021 Mansueto Ventures LLC.
春野ユリ