「鳥肌」はなぜ存在するのか。寒さから身を守る?意味がない?“鳥肌研究”の解説で感服の鳥肌がたった
冷房が効きすぎて鳥肌が立ったり、怖い話を聞いて鳥肌がたったり… いろんなシチュエーションで立つ鳥肌は、どんな理由で現れるのだろうか? 意図的に鳥肌を立てられる人もいるらしい…”鳥肌”研究の第一人者に聞いた。 【写真を見る】「鳥肌」はなぜ存在するのか。寒さから身を守る?意味がない?“鳥肌研究”の解説で感服の鳥肌がたった ■寒さだけじゃない 鳥肌がたつシチュエーションは様々 ある日の帰り道。 トイレを我慢して急ぎ足で歩いていると、腕には鳥肌がたっていた。 そして、その鳥肌はトイレを済ませると、すっかりなくなっていた...。 「さっきの鳥肌って、なんで立ったんだろう?…本来、寒くて立つものなんじゃないのか?」 「身体を温める効果があったとしても、現代の人間はそこまで毛深くないよなあ…」 ネットで調べてみると、「毛を逆立てることによって体温の低下を防ぐ」「鳥肌は現代の人間にとって意味がないもの」「感動したり驚くと立つ」など、どれもそれらしい説明がされている。 確かに、考えてみれば鳥肌が立つときには色々なシチュエーションがある。 身の毛もよだつ怖い話を聞いた時や、アーティストの生歌を聞いた時。黒板をひっかくあの嫌な音を聞いた時も鳥肌がたつ。 鳥肌って一体、何なんだろうか。 鳥肌研究の第一人者である早稲田大学 文学学術院の片平建史 准教授(心理学)に聞いてみた。 ■「寒さから身を守る」という役割は少なくとも、果たしようがない ーー鳥肌って、そもそもどういう現象なのでしょうか。 皮膚の下に、立毛筋という小さい筋肉がたくさんあり、それが収縮することによって鳥肌が立ちます。 その時に、毛穴周辺の皮膚に高さの変化がでます。それによって、ボコボコとした皮膚が出現したように見えるんです。 ーーなるほど。それって、寒さから身を守るということでしょうか。 密集した毛が逆立つと、毛の間に保持された空気の層が厚くなり保温効果が得られますが、人間の身体の毛は細く短いので、このような効果はありません。 それでも、寒いときに立毛筋が縮んで鳥肌が立つのは、毛皮があったころの名残だと考えられます。