北大阪急行、熱狂をつないだ1970年万博のトンネルを公開…阪急は駅名の看板再現
2025年大阪・関西万博を前に、1970年大阪万博の遺構や跡地が注目されている。北大阪急行電鉄(北急)は12日未明、来場者輸送の大動脈だった会場線のトンネルを報道関係者に公開。阪急電鉄は、臨時駅のホーム跡地に駅名看板を再現した。両社は「熱狂に包まれた大阪万博に思いをはせてほしい」としている。 万国博西口駅のホーム跡地に再現された駅名看板(大阪府吹田市で)=阪急電鉄提供
大阪万博は大阪府吹田市で開催され、跡地は万博記念公園になった。
北急の会場線(3・6キロ)は開幕直前の2月24日に開業し、閉幕日の9月13日まで営業。桃山台駅付近からトンネルなどで万国博中央口駅までを結んだ。ラッシュ時には2分半間隔で電車が運行し、延べ約4150万人が同駅を利用したという。
トンネルは約300メートルが現存し、12日、一部が公開された。線路は撤去されたが、バラスト(砕石)や標識が残る。「あのトンネルはどうなっているのか」との声が市民から寄せられていたという。
阪急千里線には会期中、万国博西口駅が臨時で設けられた。阪急電鉄は9月、跡地に当時の駅名看板(レプリカ)を設置。当初は1か月程度の期間限定だったが、「懐かしい」「知らなかった」と様々な反応があり、期間を延長している。駅名看板は千里線の車窓から見ることができる。
阪急電鉄の担当者は「前回の万博は国民的行事だった。当時の様子を伝え、大阪・関西万博の盛り上げにつなげたい」と話している。