パワハラショックからJ2降格危機…湘南の梅崎司が悲痛「信じているものが薄れている」
後半25分から投入されるも、一矢を報いることができなかった梅崎は、チームが極めて特異な状況下に置かれてきた8月12日以降の変化を、慎重に言葉を選びながらこう表現した。 精神面で疲労が蓄積しているのではなく、“ベルマーレの土台となる部分が揺らぎつつある“とは何を意味するのか。 「自信をもって戦っている選手が少ないと思う。言い方はちょっとあれですけど、下手くそな選手でも一人ひとりがつながって、みんなのために戦って、みんなのために足を止めることなく走るのがベルマーレなので。粘り強い守備からボールを奪い、チャンスにつなげられるエネルギーを出していく共通認識を、もう一度高め合っていかなければいけない」 曹監督が自粛した直後こそ、指揮官のもとで育まれた湘南スタイルを前面に押しだそうと全員が奮起した。相手チームより走り、攻守両面で数的優位な状況を作り続ける。サガン鳥栖には敗れるも一時は2点のビハインドを追いつき、ベガルタ仙台と浦和レッズには追いついて引き分けに持ちこんだ。 おそらくは国際AマッチウィークでJ1が中断する9月上旬には調査結果が出て、経験したことのない苦境にも終止符が打たれるのでは、と考えていたのだろう。しかし、Jリーグ側に動きがないままJ1は再開され、時間が経過していくとともに結果だけでなく試合内容も悪化し始めた。 試合中のベンチだけでなく、日々の練習で曹監督が放つ熱量があったからこそ、ベルマーレのサッカーは成り立ってきた。信頼を寄せてきた指揮官の姿が見られなくなって2ヶ月弱。歯を食いしばってきた選手たちの頑張りにも限界が訪れつつあることを、前節に続く惨敗が物語っている。 「僕たちに与える影響がゼロかと言えば、正直、それは嘘になる。それでも、これまで何を学んできたのか、ということを選手一人ひとりが自覚して、ピッチのうえで発信していかないといけない。周りはちょっと騒がしいですけど、それに振り回されている僕たちが弱いと思っている」