パワハラショックからJ2降格危機…湘南の梅崎司が悲痛「信じているものが薄れている」
ベンチからチームメイトたちの戦いを見守りながら、湘南ベルマーレの最年長選手、32歳のMF梅崎司は違和感を募らせていた。 「自分たちらしくないな、と。エネルギーが感じられなかった」 ホームのShonan BMWスタジアム平塚に川崎フロンターレを迎えた、6日の明治安田生命J1リーグ第28節。キックオフ直後こそ前線からプレッシャーをかけ続け、王者に襲いかかっていたベルマーレが、オウンゴールで先制点を献上した前半15分を境にまったく別のチームに変わってしまった。 6分後の21分にMF中村憲剛に追加点を決められると、26分にMF阿部浩之、35分にはFW小林悠と面白いようにゴールネットを揺らされる。前半だけで大量4失点を喫し、勝敗を決められてしまう試合展開は、清水エスパルスに最終的には0-6で惨敗した前節とまったく同じだった。 後半に入って守備は粘りを見せ始めたが、決定機を作ったのはFWクリスラン、MF岡本拓也が立て続けにシュートを放つも相手に防がれた12分だけだった。36分には途中出場のMF長谷川竜也にとどめを刺され、ホームで2試合続けて大量失点を喫し、攻撃陣も零封される屈辱を味わう。 一部スポーツ紙でパワハラ行為疑惑が報じられた曹貴裁(チョウ・キジェ)監督が、活動を自粛してから2分け4敗とひとつも勝てていない。今月4日にはパワハラを認定するJリーグの調査結果が出て、曹監督にもけん責と公式戦5試合の出場資格停止処分が科された。 自粛中に5試合が消化されていたため、曹監督はフロンターレ戦から復帰することが可能だった。しかし、パワハラが認定された事実を重く受け止め、メンタル的にも落ち込んでいる状態もあって自粛を継続。引き続き高橋健二コーチが指揮を執ったが、悪い流れがさらに加速されてしまった。 「疲れているというか、何て言うのかな……信じているものが薄れている感覚ですかね」