東大アメフトRBの思考法「正解が見つからなければ正解にしてしまえばいい」 どん底で見つけた、無駄な迷いを消す悟り
森HC「未経験から4年で大成。東大らしい選手」
甲子園ボウルトーナメント出場は逃したが、近年最高の成績を上げて快進撃を続ける東大ウォリアーズ。コーチとして京都大学、鹿島ディアーズを日本一に導き、日本代表監督も歴任した今季就任7年目の森清之ヘッドコーチは、成功の要因をこう分析する。 「今年のチームが去年や一昨年と比べて大きく優れてるかというと、そんなことはないんです。リーグ戦序盤はミスで自滅していましたが、それがなかった明治戦で運良く勝つことができて、口先で『勝つ、勝てる、日本一』というのではなく、リアルに勝てることを理解して練習や試合ができるようになったのが大きいです」 山川の活躍について聞くと、こう話してくれた。 「ずっと愚直に練習を積んできて、スピードも出てきて、何よりも迷いがなくなり思い切ってプレーできるようになりました。今までは普通に走るのは速くても、実戦になると色々考えてしまう部分があったんですが、今年の秋になってからはディフェンスがいてもスピードが出るようになってきたのが大きいですね。未経験からやってきて、4年で大成した東大らしい選手だと思います」 話を聞きながら、いつも冷静な森HCが少し高ぶっているように感じた。
最後の試合へ、4年間の気持ちを全てぶつける
2024年シーズンも残すは最終節の桜美林大学戦だけとなった。今乗りに乗っている山川は、改めて決意を口にする。 「このチームの最後の試合なので。今までの 4 年間の気持ちを、もう本当に全部ぶつける気持ちでやり切ります」 ボールを持って走るのも好きだけど、「得意なのはブロック」。一切の迷いを振り切ったウォリアーズの39番は、全力で敵にぶち当たり、走り切る。
北川直樹