「いばらの道」自民仕事始め式 くすぶる都議会裏金、少数与党国会…結党70周年も高揚感ゼロ
7日が仕事始めとなった自民党は今年、結党70周年を迎える。しかし菅義偉副総裁(衆院神奈川2区)ら執行部をはじめ党内に高揚感はなし。少数与党として新年度予算成立のめどは立たず、夏には参院選や東京都議選が控える。都議絡みの政治資金問題も取り沙汰されるなど「いばらの道」(党幹部)が続く。 【写真】周囲に話しかけられ笑顔を見せる菅副総裁 党本部で開いた仕事始め式で石破茂首相(党総裁)は「都議選と参院選が重なった12年前、私は幹事長。都議選公認候補全勝の勢いで参院選にも勝利した」と回顧。「握った手の数しか票は出ない。結党70年の年に(12年前当時は官房長官だった)菅副総裁らとともに勝ち抜きたい」とアピールした。 森山裕幹事長も「70年の歴史を踏まえれば道はある」。武見敬三参院議員会長は「与党が衆院過半数を持たない立場での参院選は政権選択選挙と同様な意義を持つ」と政権交代の危機を訴えた。 しかし「そうだ!」などと応じる声援はほとんどないまま式は淡々と終了。あいさつで首相から名指しされた菅氏は「責任重大だね」と周囲から激励とも同情ともとれる声かけを受け苦笑いだった。党本部を去る際には昨年の総選挙での苦杯などを念頭に「今年は良い年にしたい」と感想を漏らしていた。 自民の懸念が深まるのは都議会を巡る「政治とカネ」の問題がくすぶり始めたから。関係者によると、自民政治団体「都議会自民党」は開催するパーティー券の販売ノルマを超えた分について政治資金収支報告書に記載せず都議らの収入としていた疑いがあるという。都議らが収支報告書に未記載だった場合、旧安倍派国会議員を中心に問題となった「裏金化」が地方でも行われていた格好だ。自民内で調査が進められる一方、東京地検特捜部も関係者の聴取を進めているとされる。
神奈川新聞社