センバツ2024 全校生徒で 挑め初舞台 ビバ耐久、胸を張れ /和歌山
◇5年ぶり復活の「応援団賞」目指す 大舞台に立つナインが気持ちで負けないように――。春夏通じて初めての甲子園に出場する耐久では、センバツに向けて全校生徒が一丸となり臨時の応援団を結成した。同校には応援団やダンス部がないため、出場決定後に初心者をかき集めてスタート。近畿大応援部が指導に入り、今春5年ぶりに復活する「応援団賞」を目指す。【安西李姫】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち ◇近畿大応援部がサポート 「♪ビバ耐久 胸を張れ~~」。練習場所の武道場では、チアリーディングの生徒たちと学ランを着たリーダーが音楽に合わせ、力強いまなざしで手足を動かしていた。振り付けは近畿大応援部が考えたもので、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で送ってもらった動画で応援部員の動きを見て自主練習に励んできたという。 指導する近畿大応援部団長の東山隼人さん(21)は「応援は気持ちが一番大事。『振りを間違えてもしゃーない』と伝えている」と話す。初心者でも迫力が出て、全校生徒をはじめスタンドが一丸となって応援に乗れる振り付けを考えたという。 チアリーディングをまとめる貴志沙桜(さお)さん(2年)は、女子バレーボール部主将。人気映画「チア☆ダン」に憧れ「いつかチアをやってみたい」と思っており、応援団募集の際は真っ先に手を上げた。卒業した3年生も甲子園での応援を希望し、メンバーは総勢37人となった。 リーダーは男女13人で、このうち約半数を空手部が占める。振り付けには空手の形に似たものがあり、日ごろの練習が生きているという。メンバーの嶋田成秀(せいしゅう)さん(1年)は「歴史の重みをぶつけられるような演舞をしたい。応援の力で、相手校になめられないことも大事」と笑顔を見せた。 50年以上前のものとされる応援団旗は急きょ、硬式野球部とグラウンドを共有するサッカー部員4人が掲げることになった。林伊吹さん(2年)はエースの冷水孝輔投手と同じクラスで、応援団からの打診を喜んで引き受けた。「彼ならやってくれる。自分も風に飛ばされないよう頑張ります」とはにかむ。 県内では2009年のセンバツに箕島が18年ぶりに出場した際、近畿大応援部に指導してもらった経緯があり、今回の耐久でもOBらでつくる特別後援会が依頼して実現した。ブラスバンドも試合当日、県内の名門・向陽高吹奏楽部が応援に駆け付け、総勢70人ほどで熱い演奏が繰り広げられる。