FC東京戦でプレーしたジュビロ磐田の平川怜　撮影：中地拓也

　ジュビロ磐田はアウェーでFC東京と対戦。前半21分にCKからリカルド・グラッサのゴールでリードを奪った磐田はさらに追加点を奪いにかかるが、前半のうちに追加点を奪いきれず。後半途中から代表帰りの荒木遼太郎、松木玖生を投入した東京に対して、磐田も額の負傷から復帰したジャーメイン良が入って押し返したかに見えたが、自陣でのミスから与えたFKのチャンスをMF安斎颯馬に決められて、1－1で引き分けた。 ■【動画】最高のCK! ジュビロ磐田MF平川怜が見せた敵地でのアシストキック!■ 　磐田の平川怜にとってはJ1の舞台で、アカデミーから育った古巣と、思い出深い味の素スタジアムでの記念すべきゲームだった。左サイドハーフの平川は対面する中村帆高の攻め上がりを牽制しながら、攻撃では左サイドバックの松原后、トップ下の山田大記などと絡んでチャンスを作る。 「狙い通りの形だったと思いますし、結果で貢献できたのは自分にとってもポジティブだと思います」 　平川がそう振り返ったのは前半21分のリカルド・グラッサによるゴールをアシストしたシーンについてだ。FC東京を相手に、スタートから攻勢をかける磐田は右サイドの松本昌也がクロスに持ち込んでCKを獲得。キッカーの平川がボールを送ると、ペナルティエリア内の左右で構える山田と松本の合間に、リカルド・グラッサが飛び込んで合わせた。 　平川は「中央のPKマークあたりにスペースがあるという分析だったので。そこに狙い通りに蹴った感じです」と振り返る。磐田はこの日のスタメンでは上原力也などもCKを蹴ることはできるが、右コーナーから逃げる軌道、いわゆるアウトスイングのボールを攻撃のセットプレー担当である西野泰正コーチから評価されて、任されているという。

■「かわして決め切れ力をつけないと」

　これが2節前の湘南戦に続く2アシスト目となった平川。さらに左から松原をうまく生かしてクロスの起点になるなど、古巣を相手に効果的なプレーを繰り出したが、最後のところで決めきれないまま終盤に追い付かれて、勝ち点3を得ることはできなかった。平川が最も悔やむのが、前半45分に訪れたチャンスでの1プレーだった。 　自陣でマイボールにした磐田はDF鈴木海音から縦パスを受けたボランチのレオ・ゴメスが、うまく相手のプレスを外して縦に持ち出し、山田に繋ぐ。そこから左外を走る松原后に展開されると、その対応に出た中村帆の背後に平川が流れて、松原から絶好のパスを引き出した。中村帆が体勢を立て直して平川の縦を切ってきたが、ボックス内の左でボールを持ったところから十分にシュートが打てる状況で、中へのパスを選択してしまったのだ。 　結果的に攻撃が詰まり、最後は反対側で松原のパスを上に行った松本がオフサイドとなった。平川は「ああいうところで、かわして決め切れ力をつけないといけないと思いますし、監督にはかなり怒られたので」と苦笑いしながら振り返った。 （取材・文/河治良幸） （後編へ続く）