2024年10月から「児童手当」は拡充されたけど、「扶養控除」は縮小に!?“所得額による影響”をシミュレーション
扶養控除縮小で、児童手当が増額されても「赤字」になる世帯はあるのか?
では、児童手当の増額と扶養控除の縮小で家計にどのような影響があるのか、一連の制度改正で家計に影響を受けるのは「高校生を扶養している世帯」および「多子(3人以上の子どもを扶養する)世帯」ですが、ここでは「高校生1人を扶養している、片働きの世帯」を想定してシミュレーションを行います。 今回の児童手当拡充・扶養控除削減によって家計に影響を受ける額は、図表1のとおりになります。
<図表1> 筆者作成 「税制改正の大綱」どおりに制度改正が行われた場合、その影響で「赤字」となる世帯はありません。すべての所得層において、プラスの影響があることが分かります。 ただ、高所得の世帯であるほど、扶養控除縮小による所得税増・住民税増の影響が大きいために児童手当拡充による恩恵は少なくなり、例えば課税所得が900万円(額面給与年収では1340万円程度)の世帯は、差し引き年間6.8万円の家計改善にとどまります。 こういった要素をふまえ、今後、将来のライフプランニング作成を考えている方は、自分の課税所得はどこに当てはまるかを確認し、正確なプランが作成できるようにしておきましょう。
まとめ
今回の制度改正では、児童手当の拡充とともに高校生年代で受けられていた「扶養控除」が縮小されますが、それによって「赤字」となる世帯はありません。ただ、高所得の世帯にとっては扶養控除縮小による節税効果が薄れるために、制度改正による恩恵も少なくなります。 支給の増額・控除の縮小ともに、家計にとっては少なくない金額ですので、今後ライフプランのシミュレーションをする際などは制度改正についてきちんと理解し、反映させていきましょう。 出典 財務省 令和6年度税制改正の大綱 II扶養控除等の見直し 政府広報オンライン 2024年10月分から児童手当が大幅拡充!対象となるかたは必ず申請を 執筆者:山田圭佑 FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント
ファイナンシャルフィールド編集部