古くて新しいめまい「PPPD」とは?「3カ月以上慢性的に続く」「耳の病気との関連性」専門医が解説!
◆ほかのめまいが先行、併発することも ただし、PPPDについては、耳鼻咽喉科の現在の検査手段によってこの病気と確定診断する方法はありません。 そうした意味でも、この病気は捉えにくいのです。 しかも、PPPDの特徴の1つとしても挙げられていますが、ほかのめまい(メニエール病や良性発作性頭位めまい症など)が先行して起こったり、あるいは同時に併発することがあったりして、その点も手ごわいのです。 こうした特徴があるからこそ、耳鼻咽喉科での診断・検査が重要になるといってもよいでしょう。 先行、もしくは併発しているめまいの病気がある場合、そちらの治療もしっかり行う必要があります。 また、PPPDでは、うつなどの心因性の原因についても目配りがなされています。 つまり、検査によって、心因性の要因が大きく関わっていることが判明した場合、精神科的な治療を行うことが求められることになります。
◆新しく提案された病気 PPPDは、新しく提案された病気です。現在の段階では、確定診断する方法がないだけではなく、これという確立された治療法もまだありません。 多くの耳鼻科医がいろいろな治療法を併用することで、フワフワめまいの症状を改善へ導こうとしています。 そうした多くの治療手段の1つとして、自律神経に対するアプローチは、フワフワめまいの改善法として有効です。 また、PPPDに心因性の要因が関わっているケースでも、自律神経を整える方法は試す価値があります。 なぜなら、ストレスや過労、生活習慣の要因などによって自律神経が乱れると、自律神経失調の症状として、うつ状態が起こってくるケースがしばしばあるからです。 言い換えれば、食事を中心とした生活習慣の改善によって自律神経を整え、その乱れた自律神経のバランスが回復すれば、症状としてのうつ、そしてそこから生じるフワフワめまいもよくなっていく可能性があります。 これは、心因性以外に原因があって、フワフワめまいが起こっている場合にも当てはまります。 例えば、生活習慣の1つ(栄養不良、亜鉛不足によって)がフワフワめまいと密接に関連している場合でも、自律神経の調整のため生活習慣を変えていくことが、いい影響を与えることは改めていうまでもありません。 ※本稿は、『フワフワするめまいを治す最強の食事術 名医が教える新しいめまい撃退法』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
坂田英明,神崎晶