復旧へ課題…足りない災害ボランティア、少ない活動時間 能登半島地震から2か月
■金沢市から日帰りのボランティア 課題は“少ない活動時間”
3月1日、冷たい雨が降るなか、金沢市からバスに揺られ、石川県輪島市にボランティアの人たちが集まりました。 藤井キャスター 「金沢駅、何時に出たんですか?」 金沢から来たボランティア 「朝6時半くらいですかね」 藤井キャスター 「どんな思いでボランティア活動を?」 金沢から来たボランティア 「少しでもお役に立てたらいいなと」 その後、それぞれの“持ち場”へ移動し、家財道具の運び出しなどを行います。 “少しでも役に立ちたい”…その一心で、作業を進めますが―― 金沢から来たボランティア 「“もっとやりたいな”という気持ちはあるんですけど…なかなか、うまくいかないなというのはあるかなって」 日帰りで金沢へ戻るため、作業できるのはわずか数時間。実は、輪島市など特に被害が大きかった地域周辺に、ボランティアが宿泊できる施設がないのです。
そこで、2月26日(月曜日)に穴水町につくられたのが、ボランティアの宿泊拠点となる「奥能登ベースキャンプ」です。 廃校になった中学校の体育館にテントを張るなどして、最大100人のボランティアが泊まれるようになりました。
これまで毎朝、金沢市に集まり、被災地に向かっていたボランティア。輪島市や珠洲市までは車で片道3時間以上を要し、作業後はまた金沢に戻るので、さらに3時間以上かかっていました。 今回、輪島市や珠洲市にも近い穴水町に宿泊施設をつくることで、移動を減らし、その分を作業時間にあてることができるのです。
■ボランティアへの依頼進まず 人手不足などで「現地調査」に時間かかり…
ただ、ボランティアの課題は、これだけではありません。 最大震度7を観測した志賀町では、これまでにのべ650件ほど、ボランティアの依頼があるといいます。しかし、2か月たった今でも、作業が終わったのは約350件にとどまっているといいます。 ボランティアの取りまとめを行う、社会福祉協議会に話を聞くと… 志賀町・社会福祉協議会 岡部亮事務局長 「うちの職員だけでは、まず到底無理な件数。施設のキャパシティーでは、現実的に500人~1000人来ていただいても、とてもさばけるような状態ではないので、そのへんのジレンマもあります」 ボランティアを受け入れるには、まず依頼内容を把握する必要があるため、地元の社会福祉協議会が、住民立ち会いのもと、現地調査を行う必要があります。