デビュー戦でいきなりレコードV 素質馬ファンダムがジュニアCで待望の復帰/新人記者のトレセン日記
【新人記者・栗栖歩乃花のトレセン日記】 楽しみな逸材がいきなり登場します! 昨年9月のデビュー戦(中山芝外1600メートル)でいきなり当時の2歳コースレコード=1分32秒8(良)を叩き出したファンダム(牡3・辻)が今年のJRA開催初日に出走。5日の中山10R、リステッド・ジュニアC(芝外1600メートル)で待望の2戦目を迎えます。 圧倒的な強さを見せつけたデビュー戦ですが、当時の2着馬シホリーンはその後のGⅢアルテミスSで4着に健闘。3、4、7、8着馬もすでに未勝利戦を勝ち上がっています。これだけ見るとファンダムに重い印が集まるのも納得です。 しかし、それでも辻調教師は「未勝利とオープンは違いますし、デビュー戦の相手からレベルが上がるのでどれだけ通用するのか」とあくまでも挑戦者の構え。レースを目前に控えても「通用してもいいけど、凡走するかもしれない」と控えめな辻師ですが、ファンダムはトレーナーも認める確かな素質を秘めています。 レコードVの初戦に関して、「イメージよりはスタートが遅かったんですが、そのあと出してポジションを取って楽に追走してくれました」と振り返りますが、ここからがファンダムの真骨頂。「直線で前にいた馬は捕まえられると思っていたのですが、後ろから迫ってくる馬がどうかと思っていました。追い切りでも後ろから(馬が)来たら反応して伸びてきてくれていたので、レースでも馬が来てくれた分、伸びてくれましたね。結果が出てホッとしました」と稽古でもできていたことが、実戦でもしっかりと発揮された初陣でした。 それだけではありません。辻師は今回の中間にもたくさんまたがって感触を確かめていますが、「この馬はすごいな」と思うところがあるそう。「オンとオフがきっちりしすぎているところです。苦しい調教のあとは(息が)ハーハーとなってチャカチャカしたりすることもあるんですが、それがないですね」。3歳になったばかりでも、目を見張る落ち着き具合。厩舎の馬房でも、とてもおっとりした様子がうかがえました。 疲れにより休養が長引き、今回は4か月ぶりの実戦。ブランクこそありますが、昨年の12月上旬に帰厩してからは「調教でも動けていますし、走れる状態です」と順調な調整が進んでいます。何が起こるか分からないのが競馬。それでも確かなポテンシャルを誇るファンダムならば2戦目も楽しみしかありません! とにかく注目です。
栗栖 歩乃花