「主人の無自覚な行動により…」なぜ夫の不倫を妻が謝罪するのか? 韓国からはフシギに見える、日本の「うち」文化
それぞれの文化にはそれぞれの課題がある
ダイナミックさや人間味にあふれる韓国の文化に比べ、日本の人間関係は冷たくドライだと感じる読者がいるかもしれない。だが、どちらのほうが良い、悪いと評価することはできない。 他人との距離をいきなり縮めようとする積極的な社交文化が負担だという韓国人は意外と多いし、「そと」に対しては丁重に接するべきという礼儀作法が窮屈だという日本人も少なくない。 韓国社会では、情の深い人間関係が、期せずして地域感情〔慶尚道(キョンサンド)と全羅道(チョルラド)など、地域間で見られる政治的な対立感情。地域義主〕を刺激するという逆効果を招くことが少なくなかった。特に「ウリガナミガ〔仲間じゃないか、の意〕」精神が政治や資本など権力に近いところに根づいたという点は、批判的な目で省察する必要がある〔本来は「困ったときはお互い様、助け合おう」という意味の言葉だが、1992年の第14代大統領選挙の直前、慶尚道出身の法務部長官(当時)が非公式の場で「(慶尚道出身の)候補者の得票のためには人々の地域感情を焚きつける必要がある」との趣旨で用いたことが発覚し、地域感情を扇動したと大問題になった〕。 一方、日本社会では、「よそ」に対する冷淡さが、外国人への根深い反感や差別を合理化してしまうケースがしばしばある。コロナ禍以降、「よそ者」に対する日本社会の情緒的な距離感がますます大きくなっているのではないかと気がかりだ。それぞれの文化にはそれぞれの課題があるということだ。 有名寿司屋の予約がとれるのは8年後!「なんと席が3席しかない」韓国人が日本で暮らして驚いた、日本の“のんびりした完璧主義” へ続く
金 暻和,牧野 美加/Webオリジナル(外部転載)
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