【衆院選2024】5人が争う注目の香川1区 前職2人が8回目の対決【特集】
KSB瀬戸内海放送
10月27日投開票の衆議院選挙について岡山・香川の注目選挙区をお伝えします。 23日は香川1区です。香川1区は旧高松市と土庄町、小豆島町、直島町が選挙区です。有権者の数は約31万人で香川県の3つの区で一番多く、前回の投票率は57.52%でした。 8回目の対決となる自民・立憲の前職2人と新人3人が争う香川1区を取材しました。 香川1区の候補者を見る>>>>>>
香川1区に立候補したのは届け出順に参政党新人の小林直美さん(50)、共産党新人の田辺健一さん(43)、立憲民主党前職の小川淳也さん(53)、自民党前職の平井卓也さん(66)、日本維新の会新人の町川順子さん(65)です。 香川1区では過去7回にわたって平井さんと小川さんが議席を争い、初対決の2003年を除いて敗れた方が比例復活で当選してきました。 これまでは平井さんの5勝2敗ですが3年前の前回は、小川さんが約2万票の差をつけて勝利しました。 ■自民党と地方の連携力 (自民・前/平井卓也 候補) 「私の目標は、生まれて育って、そして皆さん方に政治家として送り出していただいたこの香川1区の選挙区の議席を奪還することです」 初代デジタル大臣などの閣僚経験がある平井さん。閣僚時代、「地元にほとんど帰れなかったことが敗因の一つ」と振り返り、前回の選挙から3年間、地道に選挙区を回ったといいます。 (自民・前/平井卓也 候補) 「地域の皆さんが望んでいることを『ダイレクトに聞いて』それを政治が実現する責任があると考えている」 今回の選挙戦では序盤から自民党の石破茂総裁や麻生太郎最高顧問ら「大物」の応援が相次ぎました。 (自民党/石破茂 総裁) 「自ら考え自ら行う、そういう地方創生をこの高松から平井さんの力を使って全国に広め、新しい日本をつくっていきたい」 議席奪還に向けて訴えるのは「自民党と地方の連携力」です。自民党の地方議員と協力して街づくりとデジタル化を推し進めると強調します。 (自民・前/平井卓也 候補) 「この香川1区のこの議席というのは国会のためだけの議席ではないんですよ。地域の皆さんが安心して前に向いて進めるために、政治が結果を出すための議席なんです」 ■地元に帰れない選挙戦 小川さんは9月、立憲民主党の幹事長に就任。全国の仲間の応援に駆け回り、「地元に帰れない選挙戦」となりました。 第一声は応援に入った北海道から高松市の事務所にオンラインで呼び掛けました。 (立憲・前/小川淳也 候補) 「今回不在がちな香川1区で厳しい状況・戦いであることに変わりはありませんので、不安がないか、心配じゃないかと言えば、うそになります」 (小川候補の支援者) 「小川淳也本人は選挙区は不在となりますけれども、私たちボランティアのメンバーも全力を尽くしています」 本人が自転車で走り回った前回の選挙とは一転、支援者が本人に代わって市内を練り歩いています。 選挙期間中唯一、高松市に帰った10月20日の決起集会には1500人以上が集まりました。 小川 候補「心細くてしょうがありません。本当に申し訳ない。弱音に聞こえたら申し訳ない」 支援者「顔をあげろ!」 小川 候補「ありがとうございます」 (立憲・前/小川淳也 候補) 「俺たちの背中を見ていろと、自信を持って言えるような政治と社会をなんとしても、ここ香川1区からつくろうではありませんか」 ■キャッチフレーズは「香川のおかん」 (維新・新/町川順子 候補) 「同じ顔ぶればっかりがずっと出ていて、必ずどっちかが当選して、どっちかが比例で上がってくる。この香川1区、そんなんじゃ本当にこの香川県、良くならないし、そして国会議員ですから国民のために仕事をしないといけないと思います」 日本維新の会の町川さんは前回に続き2回目の挑戦です。公示直前に立候補を表明した3年前は平井さんと小川さんの戦いに割って入り、約1万6000票を集めました。 (維新・新/町川順子 候補) 「選択肢がないっていうのが、一番やっぱり有権者にとって不幸だと思うし、日本の国にとってもそうだと思うので」 3年前は数人だった陣営は今回、約50人に増えて活動を広げています。 選挙戦では、最低限の生活に必要な金額を一律給付する「ベーシックインカム」の導入など、他の政党との違いをアピールしています。 そして今回、町川さんが前面に出しているキャッチフレーズがあります。 (日本維新の会/馬場伸幸 代表) 「香川のお母ちゃんでしたかね、おかん・香川のおかんと自ら名乗っていますけれども、その母性本能でこの香川1区を大きく抱き込んでもらって」 (維新・新/町川順子 候補) 「私が付けたんじゃないんですよ。支援者の人たちが『香川のおかんでいけ』って言うんですよ。香川のおかんを前に出して平井さんにも勝つ、小川さんにも勝つ、香川1区で勝って国会に出ていきます」 ■「野党共闘」が崩れる 共産党公認として香川1区に10年ぶりに立候補したのが田辺さんです。 (共産・新/田辺健一 候補) 「私を国会へと送っていただき、皆さんの暮らしを、そして普通に暮らせる社会を実現させるために働かせてください」 4回目の国政挑戦ですが、2016年の参院選では全国で唯一、共産党公認の「野党統一候補」となり、小川さんの支援も受けました。 直近2回の衆院選で共産党は香川1区に候補者を立てず小川さんを支援しましたが、今回「野党共闘」が崩れました。 (共産・新/田辺健一 候補) 「今回の選挙を戦う中で、安保法制 戦争法を廃止する。これを土台にした共闘、そのものの土台が共通した政策が十分に持ち切れない」 自民党に対しては「裏金問題」を中心に正面から批判し、各野党とは政策論争で戦う方針です。 (共産・新/田辺健一 候補) 「(共産党を含む各野党が)自分たちの掲げる政策を訴えながら、自民党の支持基盤・支持者を崩していきながら仲間にしていく、そういう戦いをしていけば自民党からの政治の転換を図っていく戦いにできる」 ■若者の政治参加訴える そして、香川1区に初めて参戦した政党も…。 (参政・新/小林直美 候補) 「投票したい政党がないのであればゼロから自分たちで立ち上げよう、そう思って作った政党なんです」 2022年の参院選に続いて2回目の国政挑戦となる参政党の小林さんです。さぬき市出身の専業主婦で参政党が結党された2020年に入党しました。 (参政・新/小林直美 候補) 「政治に参加する党と書きます。『参政党』覚えやすいでしょ?」 (参政・新/小林直美 候補) 「知名度を上げる、とにかく参政党の存在を知ってもらわないことには。知っていただけたら日本人であれば共感できるところがたくさんあると思うんですよ」 (参政・新/小林直美 候補) 「18歳以上の方は必ず投票に行きましょうね」 小林さんが選挙戦で強く訴えているのは「若者の政治参加」です。参政党は、16歳以上に投票権を与えることを公約に掲げています。 (参政・新/小林直美 候補) 「有権者の半分近くが行かない状況だと政治変わらないので、とにかく行ってほしい。(投票率が)低すぎるんでね、関心をもってほしい政治に」 2003年以来21年ぶりに5人が争う構図となった香川1区。10月27日の投開票日に向けて各候補の訴えは続きます。
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