「ハラスメント疑惑は甘受しなければ。しかし私が許せなかったのは…」斎藤元彦氏が語った告発文書の問題点《兵庫県知事に再選》
結果にこだわりすぎた
私が今、最も反省すべきだと思っているのは、職員との意思疎通についてです。 知事に就任した2021年は、コロナ禍の真っ只中。最初の2年はみんなマスクをして、まともなコミュニケーションが取れない状態でしたが、昨年コロナ禍が収束したのを機に、遅れていた施策をようやく進めることができると私は躍起になっていました。 まだ40代の若い知事として改革を期待されていたプレッシャーもありました。ドラスティックな施策は自分の言葉で説明して、詰めて進めていかなければいけないと気が急いていたとも思います。コロナ禍のあと業務の「見える化」が進み、知事にも県民にはっきりとわかる成果が求められるようになったという変化も感じていました。 そんな状況の中で自分でも気づかぬうちに結果を出すことにこだわってしまったのでしょう。トップダウン的に指示を出すことが増えました。気心の知れた部下にはすぐ指示を、と夜中にメールを送ることがあったのは事実です。合理的・効率的に仕事をこなし、組織としてのパフォーマンスを高めなければいけないということばかりを考えていたように思います。 ◆ このインタビュー全文は「文藝春秋 電子版」に掲載されています(斎藤元彦「 『感謝の言葉が足りませんでした』斎藤元彦・前兵庫県知事が語った失敗と反省 」)。インタビュー全文では、下記の内容が語られています。 ・Xさんから話を聞きたかった ・播州弁の厳しい口調 ・「文化学術系嫌い」の真相 ・結果にこだわりすぎた ・県民本位の県政に ・愛読書は司馬遼太郎
斎藤 元彦/文藝春秋 2024年11月号