対応二転三転、大混乱で幕 静岡県民嘆息「自分勝手だ」
「(県民へ)本当にありがとうございましたと言う以外ない」。10日、辞職願を提出した静岡県の川勝平太知事は時折口元に笑みを浮かべつつ記者会見に臨み、細川ガラシャの辞世の句を引用し心境を語るなど最後まで“川勝節”全開だった。一方、県民は嘆息し、県庁職員も疲弊。「自分勝手な辞任劇だ」。最後も対応が二転三転し周囲を大混乱させたまま、幕切れを迎える。 辞意を表明したのは2日。1日の新規採用職員に向けた訓示での発言について、記者団から「職業差別では」と追及を受けた去り際で、唇と手はわずかに震えていた。3日の会見で謝罪はしたものの、発言は撤回せず。抗議や批判はやまず5日、自ら撤回した。 当初6月県議会で辞職する意向を示していたがそれも一転。 ある県幹部は「誰にも相談なく辞職を決めて、県庁全体が大混乱に陥った」と頭を抱えた。別の職員は「度重なる失言を踏まえれば、辞職は当然」と語った。 県民も失望を深める。焼津市の女性(80)は「自分の意見を突き通すところはよかったが、県民を傷つけたのは許されない」と指摘する。