英インフレ、8カ月ぶり高水準-19日の利下げ見送りを市場は確信
(ブルームバーグ): 英国のインフレ率は11月に8カ月ぶりの高水準となった。イングランド銀行(英中央銀行)が19日、年内最後の政策決定会合で金利を据え置くとの見方を裏付ける形となった。
英政府統計局(ONS)が18日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.6%上昇と10月の2.3%上昇からインフレが加速した。自動車燃料と衣料品の価格上昇が響いた。
エコノミストは11月のインフレ率を2.6%と予想していたが、英中銀は2.4%と見積もっていた。
キャピタル・エコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は、「英中銀が19日に追加利下げを発表し、一足早いクリスマスプレゼントをくれる可能性はほとんどない」と指摘。1年余りで初めての上昇加速を示した賃金など今週のデータは、「英中銀がインフレ懸念を緩めることはまだ当分できないことを意味する」と語った。
短期金融市場は、英中銀が19日に利下げを発表する可能性を事実上全て解消した。来年に見込まれる利下げ回数は2回だけと、今週初めの3回から減少した。ポンドは1.271ドルと前日終値付近で取引されている。
フィデリティ・インターナショナルの投資ディレクター、トム・スティーブンソン氏は、「最近の成長停滞と合わせ、スタグフレーションを逃れようと苦闘する英国経済の姿が浮かび上がる」との見方を示した。
中銀当局者らが注視しているサービス価格インフレは5%と、高止まりした。中銀は4.9%を予想していた。
中銀は19日に政策金利を4.75%で据え置き、来年は慎重なペースで引き下げる見通し。
原題:UK Inflation Jumps to Eight-Month High Amid Fears of Stagflation(抜粋)
--取材協力:Constantine Courcoulas.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Irina Anghel, Tom Rees