<ソチ五輪>女子アイスホッケーの初戦に見えた課題と収穫
■長野五輪以来となる五輪の舞台 16年ぶりに五輪舞台に戻ってきたアイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が、9日の1次リーグ初戦で世界ランク6位の強豪スウェーデンに0-1と惜敗。スリリングな展開で多くの見せ場を作りながらも、悲願の五輪初勝利はならず、選手たちは「悔しい」、「勝たなきゃいけない試合だった」と一様に唇を噛んだ。 とはいえ、トリノ五輪銀メダル、バンクーバー五輪4位のスウェーデンを相手に、運動量やスピードで上回り、ピリオドが進むにつれて得点機が増えたのも事実だ。1次リーグから勝ち上がるには11日に行われる第2戦のロシア戦で勝利が必須という状況。開催国から白星を奪うには何が必要なのか。どこを改善すれば良いのか。また、次に生かせる収穫は何だったのか。 まず最初の課題は、試合への入り方だ。日本は前回の五輪出場が開催国枠で出場した1998年長野五輪。その大会で5戦全敗に終わった後、五輪切符を獲得することができず、それから16年もの時が過ぎての再挑戦だ。長野を経験した選手は、最年長34歳の近藤陽子ただ一人。ほぼ“初出場”だと言っても過言ではない。 ■飯塚監督「硬さが見られた」 主将の大沢ちほは「特別な緊張感はなかった。いつも通りの緊張感で皆が臨めたと思うし、予選の方が緊張していたくらい」と話したが、飯塚祐司監督は、「自分たちのホッケーをやろうと言ってスタートしたが、大きいゲームを経験している選手が少なく、硬さが見られた」と振り返った。 特に第1ピリオドの立ち上がりは、自慢の俊敏な足が止まっていた。もちろん疲れではない。緊張感からくるものだ。相手がすいすいとパックを回し、ほぼ守勢の状態。床亜矢可の反則で、1人少ない「キルプレー」の状態になっていた12分38秒、スウェーデンの怒濤の攻めを受けて失点した。 飯塚監督は「あれは、どうしようもないナイスゴール」と言いながらも、「シュートコースを少し開けてしまっていたので、あそこは改善しないと」と修正点を挙げた。GK藤本那菜は「DFから打たれてゴール前で合わされ、私のレガ―スに当たって入った。もう少しDFとのコミュニケーションを取っていかないといけない」と反省した。