歓喜に沸く岡山の選手たちを目に焼きつけて。ベガルタ郷家友太は闘志新たに。「この悔しさを1秒たりとも忘れちゃいけない」【J1昇格PO決勝】
今季は相性が悪かった岡山に0-2敗戦
[J1昇格PO決勝]岡山 2-0 仙台/12月7日/シティライトスタジアム あと1勝でJ1。だが仙台の4年ぶりJ1復帰は岡山の地で可能性を閉ざされた。今季リーグ戦でシーズンダブルをくらった岡山を相手に必死の攻めを見せたが、最後まで敵の堅い守りを崩すことはできずに0-2で敗れた。 【画像】惜しみない声援と拍手で選手を鼓舞!岡山に駆け付け、大声援でチームを後押ししたベガルタ仙台サポーター!(Part1) DF菅田真啓、FW中島元彦と共に今季J2リーグ戦で全試合に出場し、シーズン途中からゲームキャプテンとしてチームを牽引してきたMF郷家友太は、この日も最後まで奮闘したが、ゴールを演出することができず。試合後は涙も見せた。 試合後の囲み取材では、冒頭に「僕たちはまだ(J1に)上がるのは早かったということを教えられました」と語った。試合については、岡山の対策を練ってきたが、それをうまく発揮できなかった。 「(岡山からは)今年シーズン中でもPK1本しか取れていないと思うんですけど、こういう勝たなきゃいけない試合で前掛かりになるのは絶対僕たちの方でした。先制されてしまって、そこまではまだ許容範囲内だったので焦りとかはなかったんですけど、2失点してしまったところで苦しくなりました。 森山(佳郎)監督とかも、実質5バックになっている相手に対して、どこから入って行くとか、練習やミーティングでも対策を練ってきたのですが、試合ではスペースを消されたり、大事なクロスのところでも枚数がいなかったりしました」 今回の敗戦をどう思うか問われると「自分のサッカー人生で一番悔しい瞬間です。県外のチーム、地元じゃないチームでも悔しいと思うのでしょうけど、地元のチームの一員として負けたので、人一倍悔しいですし、J1に一緒に連れて行けず申し訳ないです」と、宮城県多賀城市出身の郷家は悔やんだ。 この敗戦を、しっかりとその胸に刻みつける。仙台サポーターへ挨拶した後は、岡山の選手が歓喜に沸く様子をずっと見ていた。 「もしかしたら自分たちがああやって喜んでいるかもしれませんでした。サッカー選手としてこういう場に立ち会うということは、カップ戦の決勝だったり、リーグの最後だったりしかないと思うんですけど、そうやってサッカー選手として、こういう場に立ち会って敗者になって、勝者のああいう姿を見て忘れないようにと思ってずっと見ていました」 昨季の不振から、今季はJ1まであと1勝に迫ることはできたが「(昨季の)16位からプレーオフ決勝まで行けたというのは、みんなの成長があったと思いますし、スタッフのサポートやサポーターの応援があってこそですが、最後突破しないと意味がないです」と口にする。 続けて「来年また同じ所からのスタートなので、オフシーズンはサッカーから少し離れますが、この悔しさを1秒たりとも忘れちゃいけないのかな、と思います」と、郷家は早くも来季に向けて、新たな闘志を燃やしていた。 取材・文●小林健志(フリーライター)
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