「私、逮捕される!!」予期せぬ妊娠で孤立出産!罪に問われぬ男は逃げ、駆けつけた親友と「死体処理を…」【作者に取材】
深夜の校庭で主人公が目にしたのは、血にまみれた親友・杏美の手だった…!!すぐさま救急車を呼ぼうとする主人公に「だめ…逮捕されちゃう」と泣きすがる杏美。悩んだ末、主人公はある人物に電話をかけた。電話の相手に主人公は静かな口調で「助けてくれませんか」とお願いをする。続く言葉は「死体の処理を…」だった。 【最新話まで一挙公開】犯人を予想する漫画を第1話から読む 本作「犯人を予想する漫画『仮門』」は、10年前に起こった幼女失踪事件の真相を読者とともに追っていく漫画である。現在SNSで連載中で、本日2024年10月25日に最新話の第7話が公開された。 最新話では、主人公の脳裏に時折フラッシュバックする暗い記憶の真相が描かれている。この衝撃の過去が明かされるシーンでは、読者は思わず息を呑んでしまうことだろう。果たしてこの過去の事件は幼女失踪事件に関係があるのか!?とても無関係とは思えないキーアイテムのエピソードも描かれており、見逃せない1話となっている。 この漫画を手掛けているのは、2023年2月に「第2回 朝日ホラーコミック大賞」のマンガ部門で大賞の受賞経歴を持つ漫画家・鳩ヶ森(@hatogamori)さんだ。鳩ヶ森さんに第7話について話を伺ってみた。 ――第7話では主人公とその親友・杏美の高校時代の秘密が描かれていました。ずっと気になりながら読み進めていましたが、想像以上の衝撃を受けました。 麻衣と杏美は単なる高校時代からの親友ではなく、共犯者でもあったというのが今回見ていただきたい根幹の部分でした。「仮門」のストーリー展開を考えていたとき、女性がひとりで出産して逮捕され…というニュースがたまたま続いておりまして、「じゃあそこにもうひとり女性がいたらどうなる?」という想像からこのエピソードになりました。 ――予期せぬ妊娠で怖くて誰にも相談できず産み落としてしまう事件ですね。父親は罪に問われませんが、作中で杏美が案ずるように母親は逮捕されてしまいます。 本作では2人の女性が赤ちゃんの遺体を処理することで共犯関係になりますが、それは一緒に犯罪を犯したという単純な話ではなく、子宮という臓器を持つ性としての連帯であったり同情であったり、「これでいつもの日常に戻れるはずだ」という愚かな祈りであったりするはずで、その辺りを女の友情のひとつの側面として描きたいと思いました。もちろん現実でこんなことがあってはいけませんが。 ――その過去の秘密を、「動画配信サイトでの生ライブ」というアイテムを通して、杏美側の視点で語らせたのが秀逸でした! 動画配信サイトを利用して、杏美はなにやら不穏な言動をしていますが、次の第8話でその理由がわかります。杏美はつらい経験を通して「子ども」という存在に当然ながら複雑な感情を抱いています。それが七海の行方不明に絡むのか絡まないのかは、今後の展開を楽しみにしていただけるとうれしいです。 ――今後はどういった展開となるのでしょうか? これまで序盤でちょこちょこと撒いていた伏線を、少しずつ回収していきながら、そのあと解決編へと向かっていく予定です。 ――謎解き以外の見どころも教えてください。 現状までは幼女失踪事件や過去の衝撃事件を扱っているのであまり描いていませんが、“愛情”という裏テーマを持つ作品なので、今後はその辺りの展開も見ていただけるとうれしいです。 本作では序盤に、主人公の娘が失踪する直前に埋めたというタイムカプセルの缶が登場する。その缶に主人公は見覚えがなく誰からもらったものか不審がるも、その場にいた親友・杏美はそれについて“何も言わなかった”。しかし本日公開の第7話で、その缶を手にする杏美が描かれ、その缶への思い入れや執着が本人の口から語られている。杏美はあのとき、なぜ“何も言わなかった”のか…?まだまだ謎が渦巻く本作「仮門」。今からでも第1話から一気に読んで、結末や真相を予想してみよう。 また、鳩ヶ森さんが描くホラー作品「呪いは効くのでしょうか」や「春の夜の友人」なども読み応え抜群!一度は読んでみてほしい作品なので、この機会にぜひ一読を! 取材協力:鳩ヶ森(@hatogamori)