認知症への偏見を点数化、長寿研 質問26項目を5段階で算出
国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)などのチームは、認知症への差別や偏見の意識を点数化して評価する方法を作成した。「認知症の人は知識が豊富」「話しかける意味はない」といった質問26項目を「いつも思う」から「全く思わない」までの5段階で回答してもらい、認知症の人を敬遠する傾向などを判断する。 認知症当事者や家族などの差別や偏見は治療の遅れや社会参加の減少につながるが、評価方法が確立されておらず、十分な対策が取られていない。同センターの野口泰司主任研究員は「認知症への負のイメージを克服し、当事者が排除されない共生社会を目指したい」と話している。 チームは、オーストラリアで開発された評価尺度を基に26項目の質問票を作成し、インターネットを通じて20~69歳の計819人に調査を実施。「もし私が認知症だったら屈辱的に感じる」などの質問に答えてもらい、認知症の人を避けたり尊重したりする傾向に加え、自分が認知症と診断されたらと不安に思う気持ちや、差別される恐怖心を測定できることを確認した。