清少納言の百人一首「夜をこめて~」の意味や背景とは?|清少納言の有名な和歌も解説【百人一首入門】
清少納言、ゆかりの地
『枕草子』の作者として広く知られている、清少納言。ここでは、清少納言のゆかりの地について紹介します。 1:清水寺 京都のパワースポットとして、世界中から観光客の集まる清水寺。1200年以上の歴史を持つ清水寺は、『枕草子』の中で何度も取り上げられています。特に、『枕草子』第231段の「さわがしきもの」では、18日の縁日の際の清水寺は、各地から大勢の人が集まって賑わっているという一文が見られます。 当時から、身分を問わず多くの人々から信仰されてきた清水寺。平安時代は観音信仰が強まっていたこともあり、紫式部や菅原孝標女(すがわらの・たかすえのむすめ)ら有名人も訪れていたそうです。京都市バスの五条坂で下車後、徒歩約10分の距離にあるので、当時のことを想像しながら巡ってみるのもいいかもしれませんね。 2:泉涌寺 月輪山(つきのわやま)の山麓に位置する泉涌寺(せんにゅうじ)。鎌倉時代の天皇・四条天皇以後、歴代皇室の菩提寺として崇敬を受けた寺です。定子が亡くなった後、清少納言は泉涌寺がある東山月輪にて晩年を過ごしたといわれています。 また、この付近には清少納言の父・清原元輔の山荘もあったとされます。そのため、泉涌寺には清少納言の「夜をこめて~」の歌碑が残されているのです。宮廷を去った後は、寂しい生活を送っていたとされる清少納言。この場所を訪れて物思いに耽っていたのかもしれません。
最後に
今回は、清少納言の百人一首「夜をこめて~」についてご紹介しました。和歌が詠まれた時代背景や、作者の心情について知ると、和歌の新たな一面が見えてくるようですね。本記事をきっかけに、百人一首の奥深さを感じていただければ、幸いです。 ※表記の年代と出来事には、諸説あります。 文/とよだまほ(京都メディアライン) アイキャッチ画像/『百人一首かるた』(提供:嵯峨嵐山文華館) ●協力/嵯峨嵐山文華館 百人一首が生まれた小倉山を背にし、古来景勝地であった嵯峨嵐山に立地するミュージアム。百人一首の歴史を学べる常設展と、年に4回、日本画を中心にした企画展を開催しています。120畳の広々とした畳ギャラリーから眺める、大堰川に臨む景色はまさに日本画の世界のようです。
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