マレの画廊でギエムやヌレエフ......ダンサーたちの珍しい写真展。
バレエファンにおすすめの写真展『Corps et Ame(身体と心)』がLa Galerie d'Instant(ラ・ギャラリー・ダンスタン)で7月3日まで開催されている。ギャラリーなので、気に入った写真があれば購入も可能。価格帯は広く、なかには一点ものの貴重なヴィンテージプリントも。期間中、パリに来る機会があればぜひギャラリーに足を向けてみよう。 オープニングパーティのインビテーションカード。時計回りにシルヴィ・ギエムのセルフポートレート(1999年)、脚/シルヴィ・ギエムのセルフポートレート(1999年)、ルドルフ・ヌレエフ (1962年、Cecil Beaton撮影)、チュチュにアイロンをかけるテッサ・ボーモン(1969年、François Gragnon撮影)、シルヴィ・ギエムの足(1989年、GillesTapie撮影)。
展示されている約50点の写真のなかでも、多く展示されているダンサーはシルヴィ・ギエム。写真家で夫のジル・タピだからこそ捉えられた瞬間、表情の写真がこうして集められているのは珍しいのではないだろうか。なお彼女の写真については、裸で飛び上がる有名なセルフポートレートも展示されている。4月4日に行われたオープニングパーティにはシルヴィ・ギエムやジル・タピも出席。さらにパリ・オペラ座からは『ドン・キホーテ』のリハーサルを終えて、ユーゴ・マルシャンがギャラリーに姿を現した。彼の写真もここに展示されていて、これはオペラ座のプログラム写真でもおなじみのアン・レイによる作品である。
写真展を企画したのはギャラリー創設者であるジュリア・グラニョン。ダンサーだったテッサ・ボーモンを母に持つ彼女は、ママのお腹にいる時から舞台を経験し、子ども時代をバレエスタジオや舞台裏を過ごして、とダンスの世界で育っている。展示のなかには、雑誌パリ・マッチのカメラマンだった父フランソワ・グラニョンが撮影したテッサの写真も。自然と培われた身体、動き、表現......ダンスの美しさに対する研ぎ澄まされた感覚をもとにジュリアが会場に集めた写真の数々。ギエムに次いで多く見られるのはルドルフ・ヌレエフだ。 左: ロンドンのSadler's Wellsの楽屋のシルヴィ・ギエム。Gilles Tapie, 1998年/ La Galerie de l'Instant。右: ブエノスアイレスにて。『眠れる森の美女』のシルヴィ・ギエム。Gilles Tqpie、1995年/ La Galerie d'Instant