トークショーで笑顔で話をする小祝さくら

今季、前半で２勝して賞金ランクトップを走る小祝さくら（26）が７月27日、千葉市のイオンモール幕張新都心店で開かれた「明治スペシャルトークショー＆サイングッズなどが当たる抽選会」に出席した。 前夜祭に参加した原英莉花、脇元華らドレスアップした女子プロゴルフ選手たち 小祝の地元で行われる『北海道ｍｅｉｊｉカップ』（８月２日～４日　札幌国際カントリークラブ島松コース）への参戦を前に、チョコレートスナック菓子「きのこの山」と「たけのこの里」のオリジナルパッケージ「小祝さくらの山」と「小祝さくらの里」が先着80名にプレゼントされるとあって開店前から整理券を求めるファンの列ができたが、開店わずか５分ではけてしまった。 「試合では緊張とかしないんですけど、たくさんの方の前で話したりするのは慣れていなくて、すごい今日は緊張しています」と、小祝は独特のスローテンポの語り口で場を和ませた。 『北海道ｍｅｉｊｉカップ』は地元というだけでなく、特別な縁がある。プロテストに合格した後、’17年のデビュー戦がこの大会だったからだ。地元北海道への凱旋試合では、いつも食事を楽しみにしているという。 「特にスープカレーとかいつも行くんですけど、そういう食事だったりも楽しみにしています。一番好きな食べ物はナマコ酢です。今までナマコ酢が一番好きだよっていう人に出会ったことないです」 小祝はイベントの中で、ゴルフ以外の好きなスポーツについても語った。 「野球ですね。きっかけは好きな選手がいるんですけど、オリックスに。その選手を見たのがきっかけで野球もみるようになって、野球って面白いんだなって。ルール覚えるのにちょっと時間がかかったんですけど、ルール覚えると点の入り方だったり、ゴルフと違ってチーム戦なので、そういったのを見てて面白いなって思いました」 イベントで好きな選手の具体名はあがらなかったが、筆者が改めて取材したところ、山﨑颯一郎投手（26）だという。 「ファン歴は２年ぐらい。好きなところはさわやかな笑顔です」 山﨑の応援タオルを持ってオリックスの本拠地・京セラドームで応援している様子を自身のSNSにあげているほど、“推し活”にハマっている。 「ゴロの練習とかフライの練習をやるんですけど。いつも（賞金ランク２位につける）竹田麗央ちゃんと練習とか行っています。野球チームも一応あるんですけど……全員が女子プロ（ゴルファー）で、野球好きな人が集まって。今年１回、練習試合をやったんですけど、いい感じでできました」（小祝） プロ野球選手に、ゴルフの上手い選手は多い。小祝も、ゴルフも野球もきっと小さい頃から上手かったのだろう、と思いきや、今では考えられない８歳の頃の自分を振り返った。 「（小祝自身は）まさかプロ（ゴルファー）になるとは思っていなかったです。全然ボールにあたらなかった。それでも楽しくやってはいたんですが、上手い子を見て連れられてやっている感じでした。ジュニアの頃はなんかやめたいなって思ったことのほうが多いぐらいでした。今はジュニア時代がすごい懐かしいなと思います」 「ボールが当たらなかった」小祝が、今年３月の『ヤマハレディースオープン葛城』、６月の『アース・モンダミンカップ』で優勝し通算11勝をあげるまで大きく飛躍。生涯獲得賞金も７億円を突破し、26歳70日での達成は横峯さくら、鈴木愛に続くツアー史上３人目の年少記録だった。ジュニアの時にはあまり表に出なかった「負けず嫌いの性格」と「１試合１試合自分のベストを尽くす」という真摯に向き合う姿勢が、眠っていた実力を開花させたのだろう。 今年も賞金ランク１位を走る小祝に対し、司会者から将来、海外を主戦場にすることはあるかと聞かれると「いや、ないと思います」と即答だった。 「全米女子オープンだったり全英女子のような大きな大会だったりメジャー大会には出てみたいんですけど、QT受けてアメリカに行くというのは考えていなくて。やっぱり日本が住みやすかったり、食事とか言葉とか……日本がやっぱりいいなって感じで。（日本が）大好きです」（小祝） 小祝はアメリカを主戦場にするつもりはないが、北海道にはアメリカツアーで戦う渋野日向子（25）も参戦している。 「同級生には本当に強い選手もたくさんいます。刺激をもらいながらジュニア時代からやっているので、アメリカとかで活躍していてすごいなっていつも思っています。一緒の組になれたらいいなと思います」 “黄金世代”でしのぎを削ってきた小祝と渋野の同組のラウンド。そんな思いが通じたのか、大会が始まった８月２日、２人は同組で回った。願いをひとつずつ叶えていく小祝はこれからもマイペースは守りながら、自分の願い、そしてファンの期待を形にしていくのだろう。 取材・文・写真：戸加里真司