伝説のステージ『オウニンポウヤ』に賞嘆集まる。「ここを毎年開催すべき」/WRCフィンランド デイ3コメント
8月3日(土)、WRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』のデイ3が行われ、SS16終了時点でTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。デイリタイアから復帰した日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合46番手で大会3日目を終えた。 【デイ3レポート】トヨタ同士の首位争いでまさかの失速。“水を得た”ロバンペラが最速連発 またこの日は、WRC史上イチとの呼び声も高い伝説のステージ『オウニンポウヤ』が復活し、各選手は賞嘆のコメントを残していた。そんなデイ3を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。 ■Mスポーツ・フォードWRT ●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合4番手 「(グレゴワール・)ミュンスターのことは本当に残念だ。チームにとっては大きな損失だが、グリップが非常に低くて速度がとても速いため、このようなことは起こり得る。いいステージだったが、まだショートカットと戦っているのは確かだし、切れの悪さにも手を焼いているので、マシンに目を覚ましてもらわないとね」(SS11) 「マシンは目を覚ました。僕たちは良い走りを可能にする何かを見つけたんだ。コンディションは驚くべきもので、時にはライン上で非常に良いグリップが得られるときもあったし、泥と砂利に足を取られてしまうときもあった。ただ、良い時は本当に強烈だったよ。(マシンには名前があるのですか?)『ソニア』だよ」(SS14) (オウニンポウヤ) 「これはドライバーのための記念碑的なステージだ。グリップが変化し、多くのクレストがあり、とてもクールで強烈だ。正直に言って、これは芸術だ。ただ信じられないくらい素晴らしいし、言葉で説明するのは本当に難しいよ」 ※SS走行直後の公式インタビューより ●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイリタイア 「今日はこれでリタイアだ。ブレーキング時のグリップに驚かされた後、SS11の4km地点で横転してしまった」 「僕たちはふたりとも無事だ。チームには本当に申し訳なく思っている」 「明日ここに来られることを願っている!」(本人のフェイスブック投稿より) ■ヒョンデ・シェル・モービスWRT ●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合3番手 「週末が良くなるか悪くなるかは天候に少々左右されたが、結局初日は天候が味方になったので、良い週末のスタートになった。今日は少し手強かった。道路はより高速になって、懸命にマシンを調整しようとしたものの、スピードを上げる方法が見つからなかった」 「ポイントはまだあるし、それが今日のポジティブな点だ。明日はポイントを最大限に獲得する必要があるが、すべてを無駄にしないように注意しなければならない。リスクを負うこととポイントを確保することのバランスを見つける必要がある」 「今週末、僕たちが最速ではないことは分かっているが、このラリーではパワーステージが異例のことだと理解している。だから誰でも勝てる可能性がある」 (オウニンポウヤ) 「正直に言うと怖い。ずっと走り続けるのが怖かったが、ゴールできてよかった。あらゆることを試したが、(ハイスピ―ドなこのステージでは)何をすればいいのかわからなかった。もう充分だ、運転できないよ(笑)」 ●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合52番手 「一日中さまざまなセットアップを試して、最初のステージでは良い感触が得られた。その後微調整を重ねて、最後のステージでは素晴らしい感触になった。これまでなかったグリップを見つけたんだ」 「最終ステージではタイヤが完全にバーストしてしまった。小さな振動を感じ始めたが、数秒後には破片が空中に飛び散った。それでも、最終結果にかかわらず生産的な一日だったよ。ホームで開催されるスーパーサンデーに参加するのを楽しみにしている」 (オウニンポウヤ※1走目) 「ジャンプしすぎて横滑りしてしまい、前回は調子が良かったのに今回はグリップがまったくなかった。ここはとても難しかったよ。良さそうに見えたけど、そうじゃなかったみたいだ」 ■TOYOTA GAZOO Racing WRT ●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイリタイア 「今朝は悪くないスタートを切ったが、2本目のステージで、1輪の駆動が失われてスピンをしてしまった。そこからは、クルマをサービスまで無事に運ぶことに専念するしかなかった」 「チームはミッドデイサービスでクルマを修理してくれたが、素晴らしい作業だったにも関わらず予想以上に直さなくてはならないところが多くあった。そして午後は、ポイント圏内に近づくためにはタイム差が大きすぎたので、ただ無事に走り切ることに専念したよ」 「明日はできるだけ多くのポイントを獲得するために、頑張らなくてはならないだろう」 ●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合2番手 「チームのワン・ツーフィニッシュを確定させるため、今日は確実性を最優先して走った。何本かのステージは自分が過去に走ったことがなかったため、路面のグリップの状態を把握しづらく、とくに午前中は苦戦して少し自信を失いかけた」 「オウニンポウヤのステージは素晴らしかったが、他の2本は雨の影響で濡れていて、かなり滑りやすいコンディションだった。そのようなセクションではあまり走りを楽しむことができなかったが、それを乗り越えて、自分たちがすべき仕事をやり遂げることができたと思う」 「そして、カッレ(・ロバンペラ)とともにチームに最大ポイントをもたらす権利を獲得した。明日の目標はとてもシンプルで、全力でプッシュするだけだ。それこそが、ここまでの自分たちのパフォーマンスを最大限に活かすための、唯一の方法だ」 (オウニンポウヤ) 「ここは世界最高のステージだ。だが、残念ながら限界まで行けなかった。もっと速く走れたところもたくさんあったと思う。年をとったせいかもしれないね(笑)」 ●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合首位 「とても長く、難しい一日だった。午前中は雨で路面がぬかるんでいた。それでも自分たちはプッシュし続け、クリーンに走り続けることができ、今日はそうすることが何よりも重要だったと思う」 「午前中のオウニンポウヤのステージでは、セブ(セバスチャン・オジエの愛称)とわずか0.1秒差のタイムで、それはふたりともかなり速いペースで走っていたことを証明するものであり、マージンはあまり残っていなかった」 「午後はセットアップがさらに良くなったことでより自由自在に走れるようになり、良いタイムを記録することができたのでかなり楽しめた。とはいえ明日も非常にトリッキーなステージがある。とくに『ラーヤヴォーリ』のパワーステージは難しそうだが、ベストを尽くして最後までラリーを走り切りたい」 (オウニンポウヤ) 「私の記憶が正しければ、父(ハリ・ロバンペラ)はこのステージで本当に良いタイムを出したので、私も1回やって、ふたりともこのステージで良いタイムを出したと言えるようにする必要があったんだ(笑)(編注:2本ともにステージウインを達成)」 ●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合46番手 「今日のステージはとても素晴らしく、特にオウニンポウヤは本当に楽しめました。ただし、決して簡単ではなく、雨でコンディションがトリッキーだった再走ステージはとくに大変でした」 「そのため気持ち良く走れたとは言えませんが、クルマは非常に調子が良く、午前中のステージでは良いタイムを出すこともできました。明日の日曜日はクルマのフィーリングをさらに向上させ、可能な限り多くのポイントを獲得することが目標です」 (オウニンポウヤ) 「とてもよかったです!怖い瞬間もありましたが、ステージは最高でした。ラリー・フィンランドは、このステージを毎年開催すべきだと思います」 ●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合5番手 「今日は、よりスムーズにクルマについて学ぶことができた。雨が降ったり止んだりしてはいたが、それでも天気は比較的安定していたので、ステージを楽しむことができた」 「また、クルマのフィーリングも良く、自信をさらに深めることができたと思う。オウニンポウヤは期待通り非常にエモーショナルなステージで、とても良い走りができた。それでも、カッレ(・ロバンペラ)との間には小さいながらも差があることを実感した」 「つねに改善できることを探し、なにか新しいことを見つけなければならないだろう。約33kmのステージで5秒しか遅れなかったとはいえ、すべてのコーナーを完璧に走れるように努力し続ける必要がある」 (オウニンポウヤ) 「ここは素晴らしかった。クリーンで良いステージだったと思うが、今のところはこれ以上速く走れない気がする。けれど、とても楽しかったよ」 [オートスポーツweb 2024年08月04日]