50代同士の再婚「子どもたち」のリアルな反応
純也さんのご家庭では、照れもあったのかほとんど話しませんでした。ただ、「結婚相談所に入ったよ」と告げると、息子さんは「足を引っ張らないようにするよ、親父」と静かに言っていたそうです。お父さん思いの息子さんですね。 お見合いからたった3カ月で、2人は結婚の意思を固めました。シングルマザーと初婚男性が結婚するケースはたびたびありますが、シングルマザーとシングルファザーの結婚は珍しい。本人たちも想定していませんでした。
次の問題は一緒に暮らすかどうか。私は婚活初期から美香さんに「無理して一緒に住む必要はありませんよ」と提案していました。 「今の時代、別居婚や週末婚は珍しくありません。子どもたちの成長に合わせてスタイルを変えていけばいい。せめて娘さんが高校生になるまであと数年は、今のままそれぞれのファミリーで別居して、たまに美香さん、純也さんが行き来したり、子どもたちだけが行き来したりする生活をして様子を見てから同居したほうがいいと思いますよ」。このアドバイスによって美香さんは気が楽になったようです。
■子ども同士がいきなり家族になるのは難しい 年頃の子どもたちがいきなり家族として一緒に住むというのは非常に難しい。まず、物理的に、どちらの家に住むにしても手狭になるケースが多いでしょう。 引っ越す場合は、場所によっては子どもを転校させなければなりません。親の再婚が理由での転校だと、子どもはすんなり納得しないかもしれませんし、塾も変えるのかどうかといった問題が山ほど出てくる。実際、転校について揉めて結婚がなかなか進まないカップルもいます。
もちろん心理的な面での心配もあります。子どもたちの性別や性格、育った背景にもよりますが、いきなり「お父さん」「お母さん」と呼ぶことはハードルが高い。 年頃の男の子と女の子だと同居に抵抗を示すかもしれない。子どもが公立小中学校に通っていた場合、同じ学校に行くことになりますから、周りに対して気まずい面もあるでしょう。特に、思春期のお子さんの場合はゆっくりと時間をかけてサポートしてあげなければなりません。