関西・中部エリア絶好調!大阪・名古屋などの新築・中古マンション最新市況と注目物件を解説【2024年9月版】
関西・中部圏の中古マンション市況【2024年7月データ】
次に中古マンションの市況を見ていく。近畿圏の成約価格は2,970万円(前年同月比3.5%増)、中部圏は2426万円(前年同月比9.8%増)だった。堅調な動きを取り戻してきている。 関西エリア(大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県) 成約件数は前年比プラス、2019年7月と同数となり、コロナ禍前の水準と並んだ。平均成約㎡単価は13カ月連続で前年同月を上回った。新規登録物件数はわずかながら増加し、19カ月連続で前年同月を上回った。 新規登録㎡単価は平均成約㎡単価の伸び率を上回り、高額な売り物件が増える動きがみられる。 成約件数をエリア別にみると、大阪府北部(池田市・箕面市・豊中市・吹田市・摂津市など)と東部(門真市・守口市・枚方市・寝屋川市・大東市・四條畷市・東大阪市など)、兵庫県他(神戸市と阪神間を除く兵庫県内)、滋賀県、和歌山県は2ケタ増となった。 一方、京都市と奈良県は2ケタ減となるなど、取引動向には地域差もみられた。 成約㎡単価は大阪市が12カ月連続で上昇。大阪府南部(堺市・羽曳野市・藤井寺市・富田林市・大阪狭山市・岸和田市・泉大津市など)と神戸市、兵庫県他は2ケタ上昇となった。一方で京都府他(京都市以外)と和歌山県は2ケタ下落となった。 下のグラフは、過去3年間の近畿圏(関西)の中古マンション価格(成約㎡単価、在庫㎡単価)と在庫件数の推移を示す。 中部エリア(富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県) 成約件数・新規登録物件数ともに前年同月比アップ、成約価格は平均で2426万円と前年同月比9.8ポイントアップ。平均成約㎡単価と新規登録㎡単価もアップしており、全体の市況は好調を維持している。 エリア別にみると、取引のメインとなる愛知県ですべての項目が前年比プラス傾向にあり、他のエリアをけん引する。
今月の注目のマンション「モアグレース一宮本町」
次に、今月の注目マンション「モアグレース一宮本町」を紹介する。販売するのは愛知県・岐阜県のマンションデベロッパー、エムジーホーム。場所は愛知県一宮市の市街地で、13階建てが2棟並び、総戸数は75戸となる。 1フロア3戸設定なので、角住戸が多くなる。角住戸率は66%(50邸/75邸)。 「モアグレース一宮本町」は大規模マンションでもタワーマンションでもなく、共用施設なども一般的な分譲マンションと大きな差はないが、手元のスマホやタブレットを使うスマート「IoT(※)」システムが便利そうだ。 これはどこにいても自在に来客の対応や光熱費のチェック、テレビ・照明・エアコンなどのリモコン操作、室内カメラ機能やお湯はりや床暖房・給湯器の操作・確認などができるというもの。「モアグレース一宮本町」で注目されるのは立地面、交通利便性と「住みやすさ」だ。以下に説明する。 ※IoTとはインターネットに接続された「モノ」がデータをやりとりし、自動で制御・管理を行う技術のこと。これにより、生活や仕事が効率化される。 ロケーションについて 「モアグレース一宮本町」の交通ロケーションは、一宮総合駅(JR東海道線「尾張一宮」駅・名鉄名古屋本線・尾西線「名鉄一宮」駅)徒歩6分となる。 一宮総合駅は、JR東海道線と名鉄名古屋本線が乗り入れており、名古屋・岐阜方面への移動が速い。名古屋駅まで13分、時間帯によっては11分。岐阜駅まで8分。 名古屋駅までの時間は、地下鉄東山線で言うと今池や池下駅と同じくらいである。名古屋市外から複数の路線が利用でき、ここまで短時間で移動できるのは一宮市の総合駅しかない。 さらに、名古屋・岐阜方面どちらもJRと名鉄がほぼ並行して走り、どちらかがトラブルで運行停止になってもリスクが避けられるなど、選択肢がある。特に通勤で使う人は助かるだろう。 駅舎内にはバスターミナルがあり、市内各地や周辺市町村へのアクセスも良好だ。一宮市役所をはじめ都市機能が集積する中枢エリアにあるため、名鉄バスや市が運営するバスの停留所も多い。 近くにある総合大雄会病院、少し離れている一宮市立市民病院にも、バスで行きやすい立地になっている。 また、もうひとつの「住みやすさ」は、あまり知られていないが、立地的に夏が涼しい点にある。 一宮市の北側の岐阜市も南側の名古屋市も夏は暑いことで知られている。ところが一宮市は岐阜や名古屋に比べて1~2°C低いことが多く、体感的にも涼しく感じられるほどだ。これは、一宮市の北側と西側を木曽川が流れていることが関係している。愛知県は豊田市なども暑くなることで有名だが、少なくとも愛知県内の平地で一番涼しいのは一宮市だろう。 生活ロケーションでは、歩いてすぐアーケードの商店街がある。一宮駅の駅ビルには28の専門店が入る商業施設のアスティ一宮があり、スーパーマーケットの成城石井は平日23時まで営業している。ほか、駅ビルにはドラッグストアや飲食店、ベーカリー、お弁当、お総菜、テイクアウト、スイーツ店などが入る。さらに図書館、書店、各種メディカルクリニックなど。同施設の入るビルの5~7階には図書室もある。 教育機関は市立の小学校が徒歩9分、中学校は2.5キロほどの距離があるが、自転車通学が可能。 現地の様子は 現地は建設中で、引き渡しは2025年12月中旬(予定)。接道は北側と東側の2方向道路。北側は商店街通りで、歩道に屋根がある。 南側には少し離れて3階建てと5階建ての建物があり、位置によっては1、2階の住戸は陰になる時間がある。 「モアグレース一宮本町」は高層マンションではないが、まわりに高い建物がないため眺望は良い。 「モアグレース一宮本町」販売価格は 「モアグレース一宮本町」は1期販売がスタートしたばかりで、申し込み状況は10戸前後(2024/8取材時)、5階から10階あたりでの検討者が多い。現在ヒアリングできる価格は限られているが、8階の住戸で2LDK・63.53㎡が4,090万円~4LDK・83.83㎡が5,640万(角住戸)となっている。 安い方では2階の3LDK・72.75㎡で3600万円台、最上階の4LDK・83.83㎡で5,900万円台。坪単価は160万円台~230万円ほど。
まとめ
全体として不動産市況は好調といえるが、2024年8月は、東京株式市場で日経平均株価がブラックマンデーを超える史上最大の下げ幅を記録。翌日は一転、過去最大の上げ幅で戻すなど乱高下が続いた。不動産市況に大きな混乱はないが、新築マンション・中古マンションともに8月のデータに異変が起きていないか注目したい。 ※関西圏は大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県の6府県エリア ※中部圏は富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県の7県エリア
神納まお