首から上の無病を祈願 梅干し半十郎観音大祭
和久市町半十郎観音奉賛会(松本清孝会長)は20日、京都府福知山市和久市町の祠で「梅干し半十郎観音大祭」を営んだ。菱屋町の常照寺、伊東日信住職が導師を務め、市内外から訪れた30人ほどの参拝者の頭や耳、目など首から上の無病を願う祈祷を行った。 祠には江戸時代の浪人、松岡半十郎が祭られている。半十郎は、過酷な年貢を強いる福知山藩から金品を盗み庶民に与えていたが、藩に捕まり処刑された。 打ち首の直前、半十郎は隠し持っていた金の観音像を飲み込み、「私の墓に好物の梅干しを供えて参れば、観音様のご利益で首から上の病は必ず治る」と言い残したと伝わる。 それ以来、半十郎は義賊として祭られ、脳梗塞や眼病、難聴などの病にご利益があるとして、毎年9月20日の大祭には多くの人が梅干しを供えに訪れるようになった。 伊東住職による祈祷では、初めに参拝者の1年間の健康を願うお経を唱えたあと、一人ずつ順番に頭、首を経巻で優しく触れ、病から守られるよう祈った。 初めて参拝したという市内在住の雨崎美智重さん(34)は「人から教えてもらって来ました。祈祷してもらったので、1年間、安心して過ごせそうです」と話していた。 参拝者には祈祷のほか、同会員たちが作った梅干しや梅干し入り半十郎護符餅が渡された。