【MotoGP】イアンノーネ、5年ぶりMotoGPマシンに肉体が悲鳴「全身痛くてかかとで歩いてた」決勝完走できるか?
MotoGPマレーシアGPでは、元MotoGPライダーのアンドレア・イアンノーネが5年ぶりに復帰した。彼は今のMotoGPを体験すると、体力的に非常に厳しく、既に全身筋肉痛だと語った。 【リザルト】MotoGP第19戦マレーシアGP スプリントレース結果 イアンノーネは2019年にドーピング疑惑が持ち上がり、最終的に4年間の資格停止処分を受けて追放される形でMotoGPを去った。今年は処分が解けたあと、WSBKに参戦してきたが、VR46のファビオ・ディ・ジャンアントニオが怪我の手術でラスト2戦を欠場しなくてはならなくなったことで、イアンノーネが代役として選ばれたのだ。 5年ぶりという大きなブランクを経てのMotoGP復帰は大きな注目を集めたが、イアンノーネは予選Q1で7番手タイムを記録。レギュラーライダーとも遜色のない走りだった。 スプリントレースでは後方集団での走りとなり、最終的に19位フィニッシュとなったが、大きく離されることもなくレースを終えていることは驚きだろう。 MotoGP復帰レースを終えたイアンノーネは、空力が大きく発展した今のMotoGPマシンを乗りこなすのは、WSBKマシンとは比べ物にならない負荷がかかると、肉体面での厳しさを口にした。 「レースは1分59秒5で簡単に走ることができるけど、肉体的な準備が必要だ」とイアンノーネは言う。 「知らなかったよ。WSBKではMotoGPマシンの空力的な負荷の1%にもなっていなかった。全てがより難しくなっているんだ。ブレーキングでもコーナーエントリーでも、加速でも大きな負荷がかかるし、全てを最大限で行なう必要がある。少しでも速度を落とせば、ラップタイムでは大きくロスしてしまう」 イアンノーネはスプリントレースでは体力の限界の問題によって、ポテンシャルを発揮しきれなかったとも感じているようだった。 「MotoGPがどんなものなのか、今はよく分かるよ。すんごいフィジカルが要求されるとは言われてきたけど、乗ってみるまでは分からないんだ」 「今朝起きたら、ヒトが感じられる全ての痛みを感じたよ。つま先まで痛くて、かかとで歩いていたんだ! もちろん、最後まで走るためにもかかとを使ったよ。明日の20周を想像してみてよ! でも、僕はその事について考えてはいない。僕の限界はまさにそこなんだけど、考えないほうがいいね」 なおイアンノーネはインタビューの際、「(決勝を)予選っぽく信じられないような5周を走って、その後レースを諦めてピットに戻って『みんな、これは僕の人生最高の5周だった!でもレースはおしまいだ!』と言うなんてのもあるかもね。スプリントレース中のスプリントレースだ(笑)」とも語り、周囲を笑わせていた。
Lorenza DAdderio