米のウクライナ支援は「Too Little, Too Late 」か――ロシアの反応の表と裏
「遅すぎる」と言われるウクライナへの追加支援だが、ロシアの政権内部にも揺らぎが垣間見える(画像は前線に立つウクライナ第59機械化旅団の兵士、ウクライナ国防省Xより)
難航していたウクライナ、イスラエル、台湾への米国の緊急支援法案が上下両院で可決され、ジョー・バイデン大統領が4月24日に署名、成立した。ウクライナ向け援助は総額608億ドル(約9兆4000億円)で、これにより、半年間停滞した米国のウクライナ向け軍事援助が再開される。 バイデン大統領は署名後の演説で、「われわれは同盟国から離れない。独裁者に屈しない」と強調。兵器の引き渡しが直ちに始まると述べた。大統領によれば、武器・弾薬の不足で劣勢に立たされていたウクライナ軍の東部前線では、下院可決のニュースに歓声が湧き上がったという。 ウクライナ軍にとっては恵みの雨ながら、これによって不利な戦局を転換できるかは不透明だ。北大西洋条約機構(NATO)の介入拡大の動きもあり、戦況の泥沼化が一段と進む可能性もある。
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名越健郎