「24時間テレビ」「セクシー田中さん」で日テレに猛烈な逆風 フジ「韓流ドラマ」抗議デモで視聴率低下の二の舞となるか
フジ抗議デモとは何だったのか
2011年7月、世は韓流ドラマブームだった。各局とも平日の午前中や日中に韓流ドラマを流していた。フジは月に30時間程度、TBSと日テレは月20時間程度を放送していた。各局とも視聴率は上々だった。 ただし、韓流ドラマを歓迎しない視聴者も存在した。「嫌韓」派などの人たちである。当時、竹島問題をめぐって日韓が対立していたことも影響したようだ。 そんな中、俳優の高岡蒼佑(42)が2011年7月23日、ツイッター(現X)でフジが韓流ドラマを放送することを批判した。 「正直、8は今マジで見ない。韓国のTV局かと思うこともしーばしーば」(高岡の当時のツイッター) こういった嫌韓の声に賛同した人たちが、フジへの抗議デモを行おうということになる。 最初のデモは2011年8月7日に東京台場のフジ本社周辺で行われた。日の丸を手にした人たちなどが韓流ドラマの放送に異を唱えた。主張の中には「フジは売国奴」といった過激なものもあった。前代未聞のことだった。同21日にもデモは行われ、今度は約3500 人が参加した。その後、フジのスポンサーを対象とするデモも行われた。 デモの訴えは明快だったものの、不可解な点もあった。第一に韓流ドラマを流していたのはフジだけではないのである。 それでも、フジへのデモは行われた。2011年だったことが大きいと見る。ポイントはデモの約半年前に東日本大震災が起きたこと。多くの日本人が激しいショックを受け、同時に愛国心、同胞愛が高まった。 このため、海外コンテンツではなく、もっと国内の作品に目を向けるべきだという思いも強まったのだろう。フジに矛先が向けられたのはテレビ界のリーディングカンパニーだったからではないか。 このデモによってはっきりしたことがある。ネット時代になったことにより、視聴者の力が飛躍的に増したということだ。2000年代前半までは局への抗議行動が電話かハガキしかなかった。大きな力にはなりにくく、視聴者側は弱かった。 しかし、2000年代後半からは視聴者がネット、SNSを得たことにより、局に対抗することも可能な発言力を持つ。集団行動を行いやすくなった。観る側が視聴率を動かし得る時代になった。