「24時間テレビ」「セクシー田中さん」で日テレに猛烈な逆風 フジ「韓流ドラマ」抗議デモで視聴率低下の二の舞となるか
テレビ局が批判される影響
日本テレビへの風当たりが猛烈に強い。系列局で起きた「24時間テレビ」の募金着服問題と「セクシー田中さん」問題が理由である。テレビ局がここまで激しく批判されるのは、2011年に韓流ドラマをめぐって抗議デモまで起きたフジテレビの一件以来だろう。フジは大きなダメージを受けた。日テレはどうなるのだろう。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】 【写真】「性的な加害を想起させかねない」と炎上…昨年の24時間テレビ「なにわ男子」の“幼少期ポスター” ***
どんな企業も批判はダメージになる。テレビ界は特にそう。典型的な人気商売だからである。嫌われたら痛い。 視聴者側は特に観たい番組がないとき、自分が親しみを感じている局にチャンネルを合わせるとされている。逆に好感を抱いていない局は避けられてしまう。 フジの場合、デモの影響はどうだったかというと、半年後の2012年度から視聴率が落ち始めた。デモと視聴率低下の因果関係を客観的に立証するのは難しいが、視聴率の下がり始めた時期とデモはぴったり重なり合う。その後のフジの視聴率はデモ前の水準に戻っていない。 デモ前年度の2010年度から13年度までの各局の全日帯(午前6時~深夜0時)の年度視聴率を見てみたい。当時の指標は世帯視聴率である。テレビ東京は全て最下位なので除外する。 【2010年度】1位フジ8.2%、2位日テレ8.1%、3位テレビ朝日7.3%、4位TBS6.5% 【2011年度】1位フジ8.0%、1位日テレ8.0%、3位テレ朝7.4%、4位TBS6.8% 【2012年度】1位日テレ7.9%、2位テレ朝7.8%、3位フジ7.1%、4位TBS6.6% 【2013年度】1位日テレ8.1%、2位テレ朝7.7%、3位フジ7.0%、4位TBS6.2%。 フジの2014年度から2019年度は3位、4位が続いた。強いフジを知る世代には、にわかに 信じられない。ここ3年の数字も確認したい。指標は2020年から個人全体視聴率に変わっている。 【2021年度】1位日テレ4.0%、2位テレ朝3.8%、3位TBS3.0%、4位フジ2.9% 【2022年度】1位日テレ3.6%、1位テレ朝3.6%、3位TBS2.8%、4位フジ2.4% 【2023年度】1位日テレ3.5%、1位テレ朝3.5%、3位TBS2.7%、4位フジ2.3% デモがなかったら、テレビ界の勢力争いはどうなっていたのだろう。それでも、フジは首位から転落したのだろうか。ここでデモを振り返ってみたい。