静岡県中学駅伝 浜松細江が王座奪還、男女ともにV
静岡県中学駅伝(静岡新聞社・静岡放送後援)は4日、袋井市のエコパスタジアム周辺の周回コースで行われ、浜松細江が男女優勝を飾った。6区間18・4キロの男子は58分4秒で3年ぶり2度目、5区間12・7キロの女子は44分58秒で2年ぶり3度目の頂点。 男子は3区水島優、4区小泉陽樹でリードを広げて逃げ切った。クラブチームの袋井陸上が2位、浜松北浜が3位だった。女子は1区太田美香から3連続区間賞で独走した。連覇を狙った御殿場は44秒差の2位。浜松北浜が3位に入った。
【女子】レース巧者・太田が勢い 1区からトップ譲らず
女子は浜松細江が1区から首位を譲らずにゴールテープを切った。昨年大会で連覇を阻まれた御殿場に44秒の差をつけて独走。5人中4人が経験した昨年の悔しさを胸に、隙のないのレース運びを見せた。 チームに勢いをもたらしたのは1区太田。「1キロから2キロの間を走るリズムを意識してきた」という練習の通り、1キロ付近で抜け出して実力者の御殿場の馬場を振り切った。「最初の1キロを、ペースを上げ過ぎずにリラックスして入れた」と冷静だった序盤の駆け引きを振り返る。 1カ月前の悔しさも原動力になった。春から今大会で結果を残すことを意識してきたチームだったが、10月の西部地区予選は1位の浜松北浜に26秒差の2位。負けてチームがより一つになった。 太田は先週の浜松地区大会でも調子が良かったのを買われ、最長区間の1区に起用された。周囲が「ストイックで真面目」と評する性格の通り、区間賞の走りを見せながら「今日は60点。ラストをもっと上げたい」と貪欲だった。 氏原監督は「悔しさをバネに生徒主体で練習に取り組めていた。予想以上の走りだった」と目を細めた。太田は「みんなで毎日頑張ってきた成果を出せた」と充実感たっぷりに喜んだ。
【男子】水島と小泉、勝負決す 6人で全国へたすき
盤石の継走で男子の浜松細江が王座を奪還した。藤田、柘植のWエースが要所の1、6区を制した上で、中盤4区間も区間賞1人、3位3人の安定感。10月の西部地区予選で敗れた袋井陸上に1分2秒差をつけて雪辱した。 二枚看板に隠れがちだった2人の3年生でレースを動かした。9秒差の2位で迎えた3区。水島が先頭を捉えた上で、袋井陸上の佐藤とのデッドヒートを制した。「西部予選は同じ3区で負けた。絶対に勝つ」。夏に10分の3秒差で800メートルの全国切符を逃したエコパのトラックでスパートを掛け、14秒のリードを稼いだ。 4区小泉は夏に県16強の野球部の元投手。陸上歴まだ3カ月ながら「どうすれば速く走れるかずっと考えてきた」という。この1カ月で大きく伸びたチーム一の成長株は野球部の仲間の声援にも背中を押されて区間3位。2位との差を41秒に広げて勝負を決めた。 前回、全国出場した3年前、当時小6だった柘植は兄たちがあと一歩で入賞を逃した光景を目に焼き付けた。「リベンジできるのは自分たちしかいない。目標は入賞からさらに上」。3000メートル全国7位のエースはその決意を表現するように、最終6区をただ1人8分台で突っ走り、雪辱の地へたすきを運んだ。