イラク「スーダーニー政権」を脅かす「サドル師」の存在
(C)JustLife / stock.adobe.com
2021年10月の議会選挙以降、政府の発足が1年以上遅れていたイラクにおいて、22年10月28日にムハンマド・シヤーウ・スーダーニー氏が率いる政権が発足した。 スーダーニー新首相は親イランのシーア派政治勢力の連合であるシーア派調整フレームワーク(SCF)が推薦した候補であり、スーダーニー政権はSCF主導の内閣となっている。もっとも、政権には多様な政治勢力が参加しており、各勢力に閣僚ポストが配分された挙国一致内閣となっている。 2021年10月の選挙で議席を大きく減らしたSCFは、スンナ派第二党のアズム連合、クルド勢力第二党のクルディスタン愛国同盟(PUK)、キリスト教徒のバビロン運動と四者同盟を組み、同選挙で勝利して議会内第一党となったムクタダー・サドル師が率いるサドル潮流が新政府を樹立させることを妨害し続けた。
本文:2,835文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。