井上尚弥 30億円の巨額スポンサー契約 サウジ国営「リヤド・シーズン」が“セコンド入り”
プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)が4日、サウジアラビア・リヤドで同国営のエンターテインメントイベント「リヤド・シーズン」とスポンサー契約を締結した。総額30億円(推定)の超大型契約で、12月24日のIBF、WBO同級1位サム・グッドマン(26=オーストラリア)との防衛戦(東京・有明アリーナ)からトランクスのベルト部分に同ロゴが入る。将来的に同国で試合を行うことにも前向きな姿勢を示した。 【写真】サワード王子の豪邸に招かれ、食事をする井上尚弥 モンスターが歴史的な契約を勝ち取った。2日深夜、プライベートジェットでサウジ入りした井上は所属ジムの大橋秀行会長(59)とともにサウジアラビア娯楽庁のトゥルキ・アルシェイク長官の元を訪れ、「リヤド・シーズン」とのスポンサー契約を締結。調印式を終えた井上は「キャリア後半に差し掛かってくる中でモチベーションとなる、非常に楽しみな契約ができた。限られた選手しかたどり着けない場所だと思っている」と超大型契約に胸を高鳴らせた。 「リヤド・シーズン」は19年から開催される、サウジアラビア政府が主催するエンターテインメントとスポーツの祭典で、さまざまなイベントを通じて、国内の産業を活性化させることを目的としている。来年で日本との外交関係70周年となる節目にビッグオファーを提示したトゥルキ長官は「井上はオールタイムで最高な選手。ともに歴史をつくるため、アンバサダーに就任してもらった」と笑顔を見せた。 大のボクシングファンを公言するトゥルキ長官は過去に、パウンド・フォー・パウンド(PFP)1位のヘビー級史上初の4団体統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)や、同3位で史上初の2階級4団体統一王者テレンス・クロフォード(米国)らと大型契約を結んできた。今回井上も傘下に加わったことで、PFP上位3人が名を連ねる形となった。 現段階の契約ではサウジアラビアでの試合が確約されたものではない。同長官は「ビッグファイトをすること」を期待し、「詳細を今発表することはできないが、とてつもなく大きなサプライズ。これまであったものとは全く別物になる」と将来的なビッグプラン構想に含みを持たせた。 来年、米ラスベガスで試合を行うことが有力な井上は「タイミングによってサウジアラビアで試合ができれば。日本でやってきたパフォーマンスを出して、その期待に応えてやるだけ」と前向き。数々のビッグマッチを実現させている新たなボクシングの聖地に、モンスターが降臨する日はそう遠くはない。