花火大会のゴミなんとかならない? なにわの花火大会は運営ボランティアが楽しく処理/大阪
夏の楽しみのひとつといえば花火大会。全国各地で大会が開かれては、鮮やかな写真や映像が新聞やテレビで報じられ夏本番を感じさせる。だが、その反面、ツイッターなどSNSで「花火大会のゴミがひどい」といった書き込みも多くみられる。主催者側にとっては頭の痛い問題だろうが、ゴミ問題に真っ向から取り組む花火大会運営本部が大阪市にあった。なんと60万人が来場する大会で会場内外にゴミ箱を設置し、翌日にはボランティアを募り徹底的に片づけるという。「これまでの経験からそうしている」という本部長の考えとは? 花火大会の経済学/費用や経済効果は?
運営側「ゴミを持ち帰るのは無理だと思う」
同市の中心地である梅田などに近い会場で、毎年60万人もの見物客が訪れる「なにわ淀川花火大会」。市民ボランティアによる手づくりの花火大会としてスタートし、今年は8月9日に26回目の大会を実施するという、なにわ名物の大会だ。それだけの見物客が訪れるとあってゴミの量も多いはず。だが、同大会運営本部本部長の山中泰英さん(68)は「私はゴミを持ち帰る言うのは無理だと思う。だから、自分たちで片づけている」と話す。 聞けば、7年前から見物人にゴミを持ち帰らず、会場のあちこちに設置された数々のゴミ箱に捨ててもらうようにしているという。なぜ、持ち帰りを呼びかけないのかを聞くと、これまでやってきた経験から決めたという。 同大会は大阪の中心地に近いこともあり、最寄り駅がたくさんある。だが、会場までは住宅地も多く、過去には住宅の庭、路上に捨てられることが多かったという。そうした苦い経験を重ね「会場から外へゴミを出してもらいたくない」という考えから、関係者ですべてのゴミを処分すると決めたという。もちろん、費用は運営本部がねん出する。
募ったボランティア「ゴミ拾い隊」らが活躍
ただ、60万人が各最寄り駅から一挙に会場の河川敷へ集まるため、それぞれの道にもゴミ箱や集結ポイントを設置。これは人が通ればゴミは落ちるという考えからだ。会場でも各地にゴミ箱や集結ポイントを設置しているが、捨てる際には分別を呼びかける。そして、大会終了後、人ごみがなくなると、各集結ポイントにはゴミの山が築かれるという。 これらのゴミの片づけは、翌朝5時から実施。まずは手配した清掃会社のパッカー車がゴミ山をくずしつつ回収。そして、運営本部で募った清掃ボランティア2000人が、河川敷の中や周辺道路などの外に散らばり、一気に片づけをはじめる。集めたゴミは再びパッカー車が回収。「一応ボランティアを『ゴミ拾い隊』と呼んで、みなさん一生懸命作業してくれる。それぞれが大変だが楽しくやってくれてる」と山中さんは話す。 こうした取り組みから、今ではボランティアのほか、周辺住民も一緒になって片づけを行っているという。このほか、ゴミは分別されてないケースもあることから分別の担当者も用意し、清掃会社がスムーズに持って行ける形もとっている。