新型クラウンの出来のよさを見よ! 「セダンは新しくない」なんて食わず嫌いは損する16代目とは??
いま、セダンに乗る気はありますか? と、クルマ好きにもあらためて問いかけたくなるほど、セダンが売れていない。街中では、SUV、ミニバン、ハッチバックが目につく。そんななか、トヨタ自動車はクラウンのセダンを発売した。冒険か? 【画像多数】新型クラウンの全体像 そう思ったのだけれど、乗ってみると、かなりよい。いいクルマに乗りたいと思っているなら、SUVなんかにかまけていないで、いちど、新しいクラウンのセダンを試したらどう?と言いたくなる出来のよさに感心してしまった。 16代目を数える新型クラウンは、読者なら先刻ご承知のとおり、今回、4つの車型で構成される。クラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、クラウンエステートと3車種は、ちょっと背が高い、いわゆるクロスオーバー車型。たんに「クラウン」とだけ名付けられているのは、伝統的なセダン型である。 デザイン上の特徴は、「ハンマーヘッド」とトヨタが呼ぶ上下幅の狭い灯火ユニットと、ボリュウム感のある「アンダープライオリティ」が組み合わされたフロント部。4つのクラウンで巧妙に作り分けられている。
もうひとつ、躍動感を与えるためにウインドシールドからサイドウインドウの下端、いわゆるベルトラインを通ってリアへと至るキャラクターラインが、セダンにおけるエクステリアデザインの特徴だ。 クラウンは、1955年の初代いらい、トヨタ・ラインナップの頂点に位置づけられるモデルで、SUVが台頭してきた1990年代以降も、つねにセダンだった。おかげで販売はやや低迷。それが16代目でのラインナップ拡充につながっているのだ。 クラウンの驚くべきラインナップ構成が発表されたのは、2022年7月にさかのぼる。その後、クロスオーバーが9月に発売され、23年10月にスポーツ、11月にセダンと続き、24年にはエステートが登場するという。 クロスオーバータイプのクラウンはどれも、躍動的なスタイリングで、いかにも走りがよさそうな印象を与える。ハイブリッドシステムによって、前輪はエンジンで、後輪はモーターで駆動するのも共通している。 対するクラウン(移行はクラウンセダンと呼びます)は、シリーズ中唯一異なった後輪駆動用のプラットフォームを使用。レクサスのフラッグシップ「LS」とも基本的に共用するものだ。 もうひとつ、クラウンセダンの特徴は、ドライブトレインにある。2種類から選べるようになっている。ひとつは、2.4リッターエンジンを使ったハイブリッド。今回あらたに4段変速機が組み合わされて、低回転域での扱いやすさとともに、高速での燃費向上をはかっている。