「やみくもに賭けたら無一文に」東大卒ポーカープレイヤー×気鋭のエコノミストが明かす“勝負の極意”
東大卒の投資家であり、2012年のワールドシリーズ・オブ・ポーカー(WSOP)で、日本人として初めて優勝したポーカープレイヤーの木原直哉氏。新進気鋭のエコノミストであり、日本ポーカーの祭典JOPTで2度の優勝経験を持っているエミン・ユルマズ氏。 東大卒ポーカープレイヤー×新進気鋭のエコノミストが、ポーカーから学んだ投資を成功に導く勝負の極意を一冊にまとめた『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』(KADOAKWA)が好評発売中だ。今回、「株とポーカーの共通点」についての項を一部抜粋する(以下、同書より抜粋)。
リスクを取らなければ勝てない
エミン・ユルマズ(以下、エミン):株式投資もポーカーも、勝つためにはリスクを取らなければならない点も共通していますね。株式投資は資金を株に投じる必要がありますし、ポーカーもチップを賭けて参加します。勝ったときに利益を獲得するためには、勝つか負けるかわからない段階で手元の原資を失うリスクを取る必要があるわけです。 木原直哉(以下、木原):ただ、利益を大きく伸ばして、損失は小さく抑えるというのは、現実には矛盾します。株もポーカーも、大きく儲けたいなら大きなリスクを取らなければならないし、リスクを小さくすれば勝ちも小さくなってしまう。リスクとリターンは常に背中合わせなので、ローリスク・ハイリターンは理論上、不可能なんです。それでも、そのバランスを上手に取りながら、少しでもそこに近づける人が本当にうまい人なんですよね。 エミン:そう、両立するのはすごく難しいんだけど、だからこそできたときにはすごく楽しいし、達成感がある。しかもこういうマインドワークで成功してお金を増やすことができると、人間は自分に自信を持つことができるんですよ。 大げさに聞こえるかもしれませんが、頭脳努力だけでお金を増やせたという経験は、自己肯定感を上げてくれるし、人生を充実させてくれます。本業にも良い影響があったという人も多いんですよ。