飛ばしに繋がる「Xファクター」って?【柳橋章徳プロコーチに学ぶゴルフ用語あれこれ】
この状態でのダウンスィングをやや上から見ると2つのスティックが交差して「X」に見える。だからXファクターというわけか。しかし、バックスウィングでも肩と骨盤の捻転差はできる。そっちは気にしなくていいのだろうか。
「テークバックからバックスウィングでは、さほどXファクターを気にしなくても構いません。捻転具合は個々の体の可動域や柔軟性に左右されるからです。ツアープロを見てみても、バックスウィングで肩をしっかり回し、ダウンスウィングでXファクターを出しにいく選手のほうが多いと思います。 要は、切り返しでXファクターが大きくなっていることが重要。それを維持、もしくは大きくなった状態をインパクトまで逃さないようにするのが理想です。たとえばPGAツアーの選手の肩は100度くらい回ります。骨盤は多く回る選手でも70度くらい。よく“肩は90度、腰は45度”と言われますが、両者の差が40度くらいあるといいと思います」 とはいえ、むやみにXファクターを意識する必要はなく、スウィング中にキネマティックシークエンス(運動連鎖)が正しく行われれば、多かれ少なかれXファクターを伴ったスウィングになり、フィニッシュまでXファクターがなくなることはないという。 「Xファクターがなくなるということは、スウィング中にどこかが止まってしまうということです。大抵は骨盤が止まりますが、その瞬間にキネマティックシークエンスは崩壊し、クラブの先端が返ってしまう流れになります。その結果、フェースの開閉が過剰になって打点がズレたり、ヘッドの最下点の位置がズレたりしはじめます」
Xファクターを上手く生み出すには、クラブと足が“引き合っている”ことを意識すべし
アマチュアゴルファーの場合、キネマティックシークエンスがうまくできていないためにXファクターが小さくなっていたり、そもそも無かったりすることが多いが、それを防ぐにはどうしたらいいのか? 「スウィングをスタートした瞬間にダウンスウィングが始まっているイメージで動くことが大切です。難しく聞こえるかもしれませんが、テニスや野球のバッティングなど、リアクションスポーツでは自然に行われています。飛んできたボールを打とうとした時、足はインパクトを迎える前にすでに踏み込んでいますよね。