また一つ”夢のアリーナ”完成 船橋の「ららアリーナ」から見る思惑と期待
スマホゲーム会社からスポーツリアルエンターテインメント会社へと変ぼうしつつあるMIXI
そして、MIXI。当初はソーシャルネットワーキングサービスで、その後はモンスターストライクを代表する様にスマホゲームの会社として大きくなっていった同社が、この5年で力を入れているのがスポーツ事業。 依然として主力事業は人気スマホゲームのモンスターストライクがあるデジタルエンターテインメント事業ではあるが、収益自体は右肩下がりとなっている(それでも十分な利益をまだ出してはいるが)。それに代わる収益の一つとして投資しているのがスポーツだった。2019年に千葉ジェッツ、2021年にはサッカー・JリーグのFC東京を子会社化している。スポーツ事業の中では、スポーツベッティングサービス「TIPSTAR」、チャリ・ロトのオンライン車券販売高が大きな割合を占めているが、この新アリーナによってスポーツ事業の収益増が期待できるだろう。スポーツ事業を拡大したいMIXI側にとって、新アリーナができたことは非常に大きい。 新アリーナでは、千葉ジェッツの試合以外にも、モンスターストライクの毎年恒例の大規模イベントが7月に開催が決まっていたり、他にもモンスターストライクの全国大会などを行っている同社は、新アリーナができたことでより自前のIPを収益化しやすい環境にはなっている。 この様に三者三様の思惑が上手く重なったことで完成したアリーナともいえる。
続々控える次なる大型アリーナ 愛知にはアジア随一規模
ららアリーナ東京ベイに続き、今年10月には長崎、来年6月には東京・お台場でも大型アリーナが完成予定だ。先日の6月17日には、来年7月にオープン予定のIGアリーナ(愛知県)の内覧会も行われた。まだ建築途中ではあったが、名古屋市中心部の立地ながら1万7千人が収容可能な国内最大級のアリーナとなる。こちらもバスケBリーグの名古屋ダイヤモンドドルフィンズがホームアリーナとする。 Bリーグの島田慎二チェアマンは6月18日のメディアブリーフィングで、続々とできるアリーナへの期待について問われると「素晴らしいですね。今年、来年と続々とできて。バスケ界の発展だけじゃなくて地域創生リーグとうたって、地域を盛り上げていくために、経済効果を常にもたらすためにも、バスケだけではなく、色んなエンターテインメントを誘致しながら貢献していこうといっている」と話し、「Bリーグの成長戦略において、アリーナは1丁目1番地。これまでに沖縄、群馬の太田、佐賀に(本格的な)アリーナが3つできましたが、B1の平均入場者数のランキングのベスト5に、その3つが入っている。オーナーの力も大きいけど、アリーナの力も大きい」と答えた。 人を呼べる大規模多目的アリーナが出来たことによって、その地域にもたらす影響は間違いなくある。ららアリーナ東京ベイは、南船橋エリアにどんなインパクトをもたらしてくれるだろうか。
大塚淳史