ラッパーのドレイクがセリエAクラブを破産から救った 4000万ユーロの資金調達に協力
世界的スーパースターのドレイク
今季は21-22シーズン以来のセリエA復帰となるヴェネツィア。元日本代表MF名波浩氏が在籍したことでも知られるが、過去に何度か経営危機を迎えたクラブで、09-10シーズンには破産を乗り越え、改名ののちにセリエDから再スタートしたこともある。最後にセリエAで戦ったシーズンである21-22シーズンにも巨額の負債を抱え、セリエDに再び降格する恐れがあったと『THE Sun』が報じている。 [動画]ドレイク『FAMILY MATTERS』 こうした危機に救いの手を差し伸べた意外な人物がいる。カナダのラッパー、ドレイクだ。 『TMZ SPORTS』によれば、チームの共同オーナーであるブラッド・カツヤマ氏は財政状況をなんとかしようと必死に各方面に電話をかけ、ドレイクのマネージメントチームの一員でもあるマット・バベルがこれに応えた形となった。イタリア版『GQ』に、バベルのコメントが掲載されている。 「彼(カツヤマ氏)は問題を簡潔に説明した。ヴェネツィアは数週間のうちに1000万ユーロ、さらに数カ月で3000万ユーロを調達できなければ、破産するだろうと。ヴェネツィアは素晴らしい街だし、ヴェネツィアは常に特別なクラブだった。私はドレイクと話し、その後ブラッドと私はどのように支援できるかを話し合った」 2週間ほどで両者は条件に合意し、給与の支払いと破産回避に必要な資金を北米のさまざまな投資家から調達したという。この動きにスーパースターであるドレイクの存在が大きくものを言ったようだ。 「ドレイクの世界的なスーパースターとしての地位とブランド力を考えれば、どのサッカークラブにとっても彼の価値を否定できない。文化とスポーツの交差点こそがまさに我々が目指すところだ。スポーツ組織として、NOCTA(NIKEとドレイクのコラボライン)のようなブランドを活用できることは非常に価値がある」 バベルはこのように語った。クラブは新たな施設に投資し、インテルからU-21イタリア代表MFガエターノ・オリスタニオを獲得、フィオレンティーナからU-20イタリア代表DFロレンツォ・ルッケージをローンで獲得するなど新戦力を整備してセリエAでの戦いに備えている。ドレイクらの尽力に応えるためにも、セリエA残留を勝ち取りたいところだ。
構成/ザ・ワールド編集部