米国債が下げに転じる、堅調な求人件数を材料視-逃避買いが反転
(ブルームバーグ): 3日の米国債相場では、強い米労働指標を受けて利回りが上昇に転じた。韓国大統領による非常戒厳の宣布を受けた逃避買いの流れが反転した。
韓国の戒厳令に加え、フランスでは4日に内閣不信任案の採決が行われる予定で、政府崩壊の危機にある。こうした中、ニューヨーク時間午前の取引では、安全資産としての国債の妙味が高まり、2年債利回りは一時11月4日以来の低水準となる4.14%に低下していた。
だが、その後発表された10月の米求人件数は774万4000件に増加と、市場予想の751万9000件を上回った。労働市場の底堅さが改めて意識され、国債売りを促した。
市場は現在、12月の0.25ポイント利下げの可能性を約65%織り込んでいる。来年末までの予想利下げ幅は約80bpとなっている。
ブレイディ・キャピタルのチーフエコノミックアドバイザー、ジョン・ライディング氏は4日に予定されているパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が「12月の金利決定の方向性を左右するだろう」とリポートで指摘した。
12月会合の行方はなお不透明だ。米金融当局者は「経済データの強さ次第」と述べている。6日には11月の米雇用統計の発表を控えており、ウォラー理事は12月利下げ支持に傾いているが、経済データによって考えが変わる可能性があるとも述べている。
原題:Treasuries Erase Gains as Labor Strength Erodes Haven Demand(抜粋)
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Liz Capo McCormick