甲子園メジャー仕様マウンドで阪神移籍ガルシアの不安解消
中日から阪神に移籍したオネルキ・ガルシア(29)が6日、沖縄・宜野座キャンプで初めてブルペンに入った。ガルシアは軟らかいマウンドの甲子園が苦手で、昨年も勝ち星がなかったが、今年から甲子園のマウンドがメジャー仕様の硬いものに改良されるため、その不安要素も解消。宜野座のブルペンに作られたメジャー仕様マウンドでの試運転も上々だった。13勝左腕は大きなプラス戦力となりそうだ。
メジャー仕様の硬いマウンドが味方に
ストライクゾーンの低めに小刻みに動く“ガルシアボール”は健在だった。移籍後初となったキャンプのブルペンでガルシアは、シンカー、スライダー、カット、チェンジアップ、ナックル……と7色の変化球のすべてを披露した。開幕カードで対戦するヤクルトの山口重幸スコアラーが、「ボールに角度があり、それを嫌らしく手元で動かしていたね。あれに去年もてこずった。今年も昨年の13勝と変わらないくらい勝つんじゃないか」と警戒するほどだった。43球の“阪神初投げ”の最後には、本番さながらの派手なガッツポーズ。 「気持ちが入ってしまうんだ。俺はそういうタイプのピッチャーだから」 陽気なキューバ人は、阪神のブルペンに新風を吹き込んだ。 「真っすぐもまだまだ。ベストが100パーセントだとしたら、まだ50パーセント程度だけど、全球種を投げられたのは良かったね。チームが変わってもやることは変わらない。順調に進んでいる。あせらずに調整していきたい」 来日1年目の昨季は中日で13勝9敗、防御率2.99の抜群の成績を残した。だが、ナゴヤドームで10勝4敗、防御率2.20、東京ドームで2勝0敗、防御率0.56という典型的なドーム球場型投手で、甲子園は2試合に登板、0勝1敗、防御率7.20と不得意にしていた。 その理由のひとつが、甲子園の軟らかいマウンドにあった。 「去年は、いろんなマウンドになれることが大切だったが、硬いマウンドが好きなんだ」 メジャーの硬いマウンドに慣れているガルシアにとっては、軟らかい甲子園のマウンドには戸惑いがあった。足を踏み出す場所が柔らかいとボールに力がうまく伝わらず、コントロール調整も難しくなる。微妙にボールを動かすガルシアのようなタイプはなおさら苦労する。 だが、今季は、もうマウンドに関する不安は解消される。甲子園のマウンドがメジャー仕様に改良されることが決まったのだ。すでに宜野座のブルペンもまったく同じメジャー仕様に変更されていた。 “神整備”で評判の阪神園芸、金沢健児甲子園施設部長によると米国からメジャーマウンド専用の「ブラック・スティック」という土を輸入。その会社のマニュアルに沿って新マウンドを作っているという。 「粘り気のある粘土質の土なので、硬くなります。メジャーのスタジアムの80%が使っている土で、これをメジャーの規格会社で決められている深さと幅で入れ替えます。この土は、グレーぽい色ですが、上から黒土をかぶせて微調整しますので、ほぼ見た目は変わりません。固いので踏み出す部分だけでなく、蹴った後の場所まで、ほぼ削られることはありません。1回から9回までほぼ同じコンディションを保てます」