甲子園メジャー仕様マウンドで阪神移籍ガルシアの不安解消
甲子園とマツダスタジアムは同じ土を使用
これまでは、グラウンドキーパーの経験に基づく職人感覚で、天気や季節によって変わる水分を調整しながらマウンドの硬さや傾斜、形状を一定にしてきたが、メジャー仕様に変わると「誰が整備しても変わらぬマウンドが作れる」という利点がある。 実際、金沢氏は、体調を崩して宜野座キャンプ入りが遅れたが、その影響はなく、甲子園とまったく同じのメジャー仕様の新マウンドが宜野座のマウンドと新設されたブルペンに作られた。 「太陽の当たり方で多少水分量が変わってきますが、これまでのような難しい調整ではなくなるんです」 広島のマツダスタジアムも同じく「ブラック・スティック」が使われ、阪神とまったく同じ仕様のマウンド。土は違うが、東京ドーム、今季から同じくマウンドをメジャー仕様に変えるナゴヤドームも、おおむね、同じような傾斜、硬さ、形状のマウンドとなり、これまで球場によって投手が抱いていた「投げやすい」「投げにくい」の相性などがなくなり、どこで投げてもコンスタントに力を発揮することができる。 各球団のスコアラーだけでなく視察に訪れた評論家までが、「リーグナンバーワンの投手陣」と絶賛される投手力を最大限に生かすためのマウンド改良で、その恩恵を最も受けるのが、ガルシアなのだ。 この日、ブルペンで甲子園と同じメジャー仕様のマウンドを試したガルシアは、「違和感はなかった。感触は悪くなかった」と手ごたえを感じ取っていた。もう不安要素は解消された。 調整はスローペースだが、「タイガースカラーと同じで気に入っている」というヘアースタイルのガルシアに心配はいらないだろう。 チームにはドリス、新外国人のマルテら同じくスペイン語圏の選手がいて「中日の雰囲気も良かったけれど、阪神もたくさんのファンが応援してくれるし楽しいね」と、すっかり溶け込んでいる。 「1年目の13勝という数字には満足しているが、今年はそれ以上の数字を出してチームの勝利に貢献したいね」 メジャー仕様マウンドという大きな味方をつけたガルシアがメッセンジャー、西と共に阪神先発陣の屋台骨を支えることに疑いはない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)