後半の2ゴールで作陽学園が勝利!3回戦へ
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)は28日に2回戦を行ない、近大和歌山と作陽学園が対戦。後半の2ゴールで作陽学園が勝利し、3回戦進出を決めた。 【フォトギャラリー】近大和歌山 vs 作陽 山形明正と対戦した1回戦の作陽学園は前半29分に退場者を出し、10人での戦いを強いられた。それでも主導権を握って試合を進めたが、「ボールを持てる分、何をやれば良いか分からなくなっていた」(酒井貴政監督)ため、思い通りの攻撃ができず、後半25分に奪ったFW11吉田央(3年)のゴールによって、1-0で勝利。迎えた2回戦は「物凄くシナリオ通り」と指揮官は笑みを浮かべる試合展開で、勝利を引き寄せた。 お互いに長いボールを前線に入れてやり合う試合展開となった前半は、競った後の攻防で優位性を作った。「自分たちは作陽学園と比べて身体の作りが全く違い、当たり負けしていた。セカンドボールの回収を重要視していたけど全くできず、自分たちの武器をうまく出せなかった」。そう話すのは近大和歌山のMF10松林優(3年)で、作陽学園は拾ったセカンドボールを左に展開し、MF20平松頼心(3年)らが仕掛けていく。 前半14分にはクリアボールからFW13大西卓磨(3年)がシュート。GKが弾いたところをFW久城壮司(3年)が詰めたが、身体を寄せた近大和歌山のDFにクリアされる。31分には左サイドを仕掛けたこぼれ球を吉田が打ち返し、シュートは絶妙なコースを突いたが、カバーに入った選手に阻まれ、CKに。前半終了間際に放ったMF10曽田瑛太(3年)のシュートもミドルシュートも枠を捉えることができない。 無得点で前半を終えたが、積極的に仕掛けた結果、相手に十分なダメージを与えることはできていた。「後半頭の入り方は久しぶりに良かったと思ったのですが、そこから足が落ちてしまった」と振り返るのは、近大和歌山の藪真啓監督で残り35分は動きが落ちた近大和歌山を仕留めにいく作業に出ていく。 後半開始とともに両サイドの入れ替えを実施。右にMF14飯田龍之進(3年)、左にFW11吉田央(3年))というフレッシュなサイドアタッカーを投入することで、攻撃のギアを1段階上げた。最初にイメージしたのは右からの仕掛け。飯田がテクニカルな仕掛けで近大和歌山陣内に入っていくと、後半17分には飯田がドリブルから前線の大西に展開。ゴール前でスルーパスをもらいなおした飯田が左足でゴールネットを揺らし、均衡を崩した。 中央を連携で崩したことで近大和歌山が中を警戒し始めた。先制点を奪ってからは意図的に2トップにボールを入れて、相手の視線を中に集めると今度は手薄になった左サイドを攻略。後半20分にはFW9久城壮司(3年)、吉田と繋いだボールを左前方に展開するとフリーでドリブルを仕掛けた吉田がPA内に入り、落ち着いて2点目を決めた。 作陽学園にとっては4年ぶりのインターハイ。全国の舞台を知る選手が少ない中でも勝ち進めていることは選手の自信に繋がっている。「(2勝して)凄く自信が付いている。昨日も1人少ない中でも勝って、対応力がちゃんと付いてきていると酒井さんにも言ってもらえている。そこは成長を感じるけど、まだまだできていない部分もあるので、そこを伸ばしていきたい」(曽田)。 次に対戦するのは昨年準優勝の桐光学園だが、気後れした様子は見られない。曽田は「次の桐光学園を倒したら、もっと全国にアピールできると思う。自分たちの目標はそこなので、ここから良い準備をして次も勝ちたい」と意気込んだ。 (文・写真=森田将義)