材料3つで本格派! ずっしり卵生地がおいしい「じゃがいものスパニッシュオムレツ」【きじま流フライパンレシピ】
テレビや雑誌を中心に活躍する料理家のきじまりゅうたさんが、料理の基礎やコツをご紹介! 調理がラクになるちょっとしたコツや、料理が飛躍的に上手くなるノウハウ、誰も教えてくれないマル秘テク、目からウロコの簡単レシピなど「料理はおもしろい」ことを伝えたいと語るきじまさんのyoutubeチャンネル「きじまごはん」から、編集部厳選の記事をお届けします。 【おいしく作るコツを画像で確認】ずっしりした厚みのある卵に仕上げるコツはじゃがいもの混ぜ方! 今回は「スパニッシュオムレツ」の作り方をお伝えします。じゃがいもがたっぷり入ったオムレツは、食べ応え満点で、おかずにもおつまみにもオススメ。 おしゃれでちょっと難しそうに見えるかもしれませんが、フライパンだけで簡単に作れるんですよ。丸い形に仕上げるコツもご紹介します。ぜひ試してみてください! ■スペインで「トルティージャ」とよばれる伝統料理 「じゃがいものオープンオムレツ」は「スパニッシュオムレツ」とも呼ばれていて、スペイン本国では「トルティージャ」という料理名です。 たっぷりのじゃがいもと玉ねぎを、卵と合わせて焼くオープンタイプのオムレツです。ホクホクのじゃがいもが卵と馴染んでずっしりした生地がたまらなくおいしい! 今回紹介する焼き方なら、失敗なしで作れますよ。 材料 卵:3個 じゃがいも:1個(200g) 玉ねぎ:1/4個 オリーブオイル:大さじ2+大さじ1/2 塩:小さじ1/4 こしょう:少々 ■作り方 じゃがいもの下処理です。 じゃがいも1個(200g)の皮をピーラーで剥きます。 ピーラーでじゃがいもの皮を剥くとき、弧を描くようにして剥くといいですよ。 まっすぐ剥くより、じゃがいもに沿って手首をひねるようにすると剥きやすいです。芽の部分も取り除きます。 じゃがいもを3~4ミリのいちょう切りにします。 切ったじゃがいもを水でさっと洗い、表面のぬめりをとります。 じゃがいもを蒸し焼きにします。 20cmのフライパンに水気を切ったじゃがいもを入れます。 オリーブオイル大さじ2を入れます。 オリーブオイルがなければサラダ油でもかまいません。ちょっと多めの油で揚げ焼きにのようにします。 火をつけ、ざっと混ぜてじゃがいもに油を馴染ませたら、フタをします。じゃがいもが柔らかくなるまで弱めの中火で蒸し焼きにします。 じゃがいもを蒸し焼きにしている間に、玉ねぎを薄切りにします。蒸し焼きにしているフライパンはときどき揺すってください。 玉ねぎ1/4個を用意し、繊維に垂直になるように半分まで切り目を入れます。 繊維と並行の向きに薄切りにします。 あらかじめ切り目を入れたことで、玉ねぎの外側は短くカットできて、内側と外側の長さが揃い、じゃがいもと同じくらいのサイズになります。 玉ねぎを切り終わったら、じゃがいもの様子をチェックします。 フライパンが熱くなってから3分くらい経過しました。 じゃがいもが油で揚げたような風合いになります。箸で刺して柔らかければ焼き上がりです。 薄切りにした玉ねぎを入れます。 玉ねぎがくたっとするまで炒めます。 玉ねぎを加えて3分くらい経過しました。 ちょっと油が多いので、キッチンペーパーで油を拭き取ります。好きな人はこのままでもいいのですが、今回は余分な油は拭き取ります。 調味料を加えます。 塩小さじ1/4 、こしょう少々を加え 具材と混ぜたら、火を止めます。 続いて、卵を溶きます。 ここが今回のちょいコツポイントです。 “じゃがいもの半量を潰して卵と混ぜる” じゃがいもの半量を潰して卵に混ぜると、生地がしっかりした感じになります。 炒めたじゃがいもと玉ねぎの半量を、ボウルに入れます。 じゃがいもをフォークで軽く潰します。玉ねぎはなかなか潰れないので、じゃがいもだけ潰せばOKです。 じゃがいもが潰れたところに、卵3個を割り入れます。 フォークで卵と潰したじゃがいもを混ぜます。 卵とじゃがいもが混ざり、生地が重くなります。これがスパニッシュオムレツの秘訣です。 よく混ぜたら、残りの具をすべて入れます。 具の余熱で、卵に少し火が通ります。 生地ができたので、卵を焼きます。 具を炒めたフライパンにオリーブオイル大さじ1/2を足し、フライパンをよく熱します。 フライパンが熱くなったら、一気に生地を入れます。絶えずフライパンの中を菜箸で混ぜながら、フライパンを前後に揺すります。 卵が固まり、フライパンの底が見えてきたら混ぜるのをやめます。 弱めの中火にし、ゴムベラなどで形を整えます。 外側を内側に折り込むようにして、厚みを均一にします。 卵を焼きはじめて2~3分経過したら、卵を裏返すために、皿に取り出します。 フライパンより大きめの平皿を用意し、卵を平皿に滑り下ろします。 皿の上の卵にフライパンをかぶせ、皿とフライパンを持ちます。 フライパンごと皿を裏返します。 皿を外すと、フライパンの中に、きれいに裏返った卵が残ります。 フライパンをまた火に戻し、ゴムベラで卵の縁を整えます。 オリーブオイル大さじ1/2を鍋肌から足すと、よりカリッとした仕上がりになります。フライパンは常に振りながら焼いていきます。 もう一度裏返して焼きます。 フタをするようにフライパンに平皿をかぶせます。 フライパンごと平皿を返します。 平皿に、裏返った卵が残ります。 フライパンに卵を滑り戻し、先に焼いた面をカリッと焼き直します。もっとカリッとさせたければ、少し油を足すといいですよ。 盛りつけます。 盛り付ける際も、フライパンよりひと回り大きい盛りつけ用の平皿を用意し、フタのようにかぶせます。 フライパンごと返せば、盛りつけ完了です。 食べやすく切ります。 「スパニッシュオムレツ」のできあがりです! ■試食 しっかり厚みがあって、じゃがいもの存在感もありますね。 じゃがいもをしっかり蒸し揚げ焼きにしたので、ねっとりほっくり感が出ています。じっくり炒めた玉ねぎの甘みも出ています。じゃがいもと卵の分厚い生地も合わさり、本格的なスパニッシュオムレツです! 家にある材料で作れる本格レシピ、自慢の一品になりますよ。焼き方も大皿を使って裏返せば失敗しないと思うので、ぜひ作ってみてください! 今回、教えてもらった「スパニッシュオムレツ」について、気になるポイントをきじまさんに伺いました。 __オムレツとスパニッシュオムレツはどう違うのでしょうか? きじまさん:オムレツは、ラグビーボール状に形をまとめるタイプと、フライパンに広げて焼くオープンオムレツタイプに分けられる印象があります。スパニッシュオムレツは後者に属すと思います。 __玉ねぎを切るときに、半分に切り込みを入れてから薄切りにしていました。薄切りにしてから半分にカットするより、この方法がよいのでしょうか? きじまさん:切り込みを入れてから薄切りにするほうが、包丁で切る回数が圧倒的に少なくて済みますよ。 __倍量で作りたい場合は今回より大きい26cmのフライパンでも作れますか? 気を付けることなどありましたら教えてください。 きじまさん:26cmでも理屈上は同様に作れますが、難易度がかなり上がります。全体に均一に火が通るようにしっかり混ぜながら焼く。重いけど頑張って裏返す!(笑) __確かに重さが出ますね! 慣れないうちは、倍量の場合は2回に分けて作るほうがよさそうですね。ありがとうございました。 きじまりゅうた 料理研究家。 祖母と母が料理研究家という家庭に育つ。 オリジナリティあふれるレシピと、わかりやすいトークを武器に、男性のリアルな視点から考えた「若い世代にもムリのない料理」の作り方を提案。現在は「NHKきじまりゅうたの小腹すいてませんか」「NHKきょうの料理」「NHKあさイチ」「CBCキユーピー3分クッキング」などのテレビ番組へのレギュラー出演をはじめ、WEB・雑誌 上でのレシピ紹介や、料理教室やイベント出演などを中心に活動している。著書『極狭キッチンで絶品!自炊ごはん』(新星出版社)。youtubeチャンネル『きじまごはん』を配信中。 取材・文=ジョッキー