夏でも「シャワーだけ」はNG?寝苦しい夜もぐっすり、快眠につながる入浴法
暑い夏はシャワーだけで済ませて、涼しい部屋で寝たい。そう思っていても、なんだかうまく寝つけないという人も多いのではないでしょうか。睡眠専門医の白濱龍太郎先生は、入浴にこそ快眠のコツがつまっているといいます。そこで、快眠につながるお風呂のタイミングや、寝るときの保温グッズの使い方などについて教えてもらいました。
意外な原因で「眠りづらい体」になっている
暑い日はとくに、外から帰ってきてすぐにシャワーを浴びたり、湯船につからないという方も多いのではないでしょうか。涼しい部屋にいるはずなのにうまく寝つけない、眠りが浅い気がする、夜中に目が覚めてしまうという方もいるかもしれません。 睡眠にとって大切な習慣というのはさまざまですが、入浴がかなり重要な役割を担っています。入浴は、疲れをとる以外にも、体の内部の温度を調節することで寝気をコントロールする効果があるのです。 あまり知られていないことではありますが、じつは、なかなか眠れない人は体を温めすぎている可能性が高いです。 私たち人間の体の内部の体温である「深部体温」は常に一定ではなく、1日のなかで微妙に変化しています。内臓を正常に働かせるため日中は高く保たれ、夜になると下がっていきます。その深部体温が下がるときに、自然と眠くなるようになっているのです。 つまり、眠りたい時間にちょうど深部体温が下がってくるように調整できれば、自然とぐっすり眠れるようになっていくのです。 そこで気をつけたいのが、入浴のタイミング。入浴自体は、血行を促したり心身をリラックスさせたりと心身によい作用があるのですが、就寝の直前に入浴すると、深部体温が上がって寝つきが悪くなってしまいます。 スムーズに眠れるように、入浴のタイミングを寝る1時間半~2時間前に設定しましょう。入浴によって上がった深部体温は、その反動で1時間半~2時間後に下がるので、そこでふとんに入れればスッと眠りやすくなります。そうやって一度深い眠りに到達することができれば、夜中起きてしまうことなく朝までぐっすり眠ることができ、疲れも解消できるのです。 暑い日はシャワーだけで済ませたくなりますが、それもおすすめできません。シャワーだけだと深部体温が上がりきらず、きちんと寝る前に下げることができないためです。どうしてもシャワーだけで済ませたい日は、首の後ろに熱めのお湯を当てるようにしましょう。そうすることで太い動脈が温められ、血行がよくなり、深部体温を上げることが期待できます。その際、首の横にあるくぼみを親指で上下にやさしくマッサージしてあげると、首の筋肉をほぐれてリラックスできるのでおすすめです。