キャンプで研修、メニュー充実など 平日の稼働率向上へ「あの手この手」 京都・福知山市のアウトドア複合施設
京都府福知山市大呂のアウトドア複合施設「京都大呂ガーデンテラス」は、低迷する平日の稼働率を向上させようと、試行錯誤しながら次々と新たな取り組みを打ち出している。キャンプで企業研修、レストランメニュー充実など、集客アップへ「あの手この手」で挑戦している。 豊かな自然を満喫できるキャンプ場のほか、客室、研修室、浴場、レストランなどがある宿泊棟、グラウンドゴルフ場を有し、合同会社FNA BASE(神崎恵子代表社員)が市の指定管理を受けて2023年4月から運営している。 キャンプ場は通年営業しており、春から秋の繁忙期の週末はファミリー層で予約が埋まる一方、平日や閑散期の冬場は苦戦していた。そこで、インドアとアウトドアのいいとこ取りができる施設の利点を生かそうと、23年の冬に打ち出したのがアウトドア企業研修プランだった。
オフィスでは生まれない発想を
研修室での会議やたき火を囲みながらのミーティング、屋外でのバーベキューを通じて、「仕事仲間とのコミュニケーションを深めて、オフィスでは生まれない発想につなげてほしい」という。利用した企業からは「非日常的な空間で、普段話せないことも話せた」という声があった。また希望すれば、すぐ近くにある天寧寺で座禅体験もできる。 さらに、レストランは会席料理と仕出し中心で地元の催事での利用が主だったが、地域内外から広く気軽に来てもらいたいと、月替わりの肉料理をメインに地場産の野菜をふんだんに使用したメニューを提供するランチ営業(予約制)を、24年春から本格的に開始した。
SNSでも発信徐々に認知度上昇
このほか、キャンプ場にペットと過ごせるペットサイトを新設。SNSでの発信にも力を入れ、インスタグラムはここ1年4カ月ほどは、ほぼ毎日投稿している。 そのかいあって、今年度来場者数は8月末時点で昨年同期比28%増の1万415人となり、神崎さんは「少しずつ認知度が上がってきたかなと思います。今後もさらに工夫を重ねて、大呂の豊かな自然を多くの人に感じてもらえるよう努めていきたい」と意気込んでいる。